まとまった時間が取れたので、暖冬を感じに下界に赴いてきました。最寄りまでのアクセスはともかくとして(それでも1時間半かかるけど)、肝心のポイントは足場が悪い難所が幾つかあるので、痛む足をテーピングとサポーターでガチガチに固め、登山家K女史のサポート付きと言う過保護な感じなフィールドです。
で、最寄りの駅に着くやいなや…
The早春の蛾、クロモンキリバ氏のお目見え。
この時期の蛾にしてはやや大きめの翅と、やたら主張する黒い三連▼模様が頻繁に視界に入ってきます。この時期の蛾探しと言えばフユシャクやキリガが目的の人が多いので、そう言う意味では随分煙たがられる蛾ですが、顔つきは案外可愛いいので僕は結構好きです。
クロモンキリバと別れててくてく歩いていると今度は蛍光灯に異質なシルエットが。
あれはまごう事無きおかもっつぁん。
って言ってもこんな写真じゃわからりづらい事この上無いでしょうけれど。網でも持ってたら捕獲しちゃえばいいのかも知れませんが、まあそこまでして撮っても…と言う感じなので今回はスルー。そもそも網買ったのに一回も虫採るのに使ってないですし。(井戸に落ちたマムシを救出するのには使った)
こちらはチャオビフユエダシャクの雄。雌が悪の魔術師的なフォルムだったのに対してなんとも特徴の弱い、いかにもシャクガと言う風貌。それにしてもチャオビフユを異様な数見るようになってきたので、いよいよピーク…と言う感じでしょうか。まあ数は見ても交尾ペアはほぼ見ないのですけれど。チャオビの交尾はあまり見つけやすい方ではないと言う話は聞きますが、ネットの海を彷徨ってもあまり見かけないのでそう言うもんなんでしょうかね。単体ではめちゃくちゃ見る蛾、と言う印象なんですけれど。
こちらは未同定のシャクガ。ブッシュの奥で顔こっち向けていたのでお顔をパシャリ。結局翅表を見る事は出来ませんでした。誰だったんだ。
こちらもクロモンキリバと双璧をなす、The早春の蛾、シロテンエダシャク。こちらもピークが来れば吐いて捨てるほどの数を見かけますが、安定した外観のクロモンキリバとは違い、こちらは個体差がかなり大きく、見かけたもの片っ端から撮って行ってもあまり同じような個体に出会いません。ちなみにクロモンもシロテンもこの場所ではまだ出初めと言う感じ。
未同定のシャクガ。桜の樹幹で翅を立ててぼーっとしてました。胸部の毛流れが柔らかそうで、ふぁさふぁさしたくなりますね。しませんけど。
それからこの日は珍しく林内でフユシャクの雌を2個体見つけました。
安定の、クロテンフユと思しきフユシャクの雌。平地の河川敷とかのような歩きやすい平坦な林内ならともかく、山の斜面では無限に登って行く印象があるので、手すりでも無ければまず出会わないフユシャクですが、この日は2個体ともイロハモミジの幹についていました。サクラやクヌギコナラの方がついてそうなイメージなんですけれど、僕が林内でフユシャクの雌見るのは大体イロハモミジです。
そして最後に意外な出会い。
桜の樹幹にはりついたトギレフユエダシャクの雄。関西圏では貴重なトギレ。もう雄出てるんですね。とは言えまだフレッシュな感じだったのでそんなもんなのかも知れません。意外なことにトギレの雄は灯火に頼らず林内散策であっても結構見つけやすい位置に止まっている事が多いです。
笹や枯草の先端に止まっている事が多いクロテンフユの雄とは対極に、こちらは葉の上や樹幹に張り付いている事がほとんど。模様的にその方が隠れやすい、と言う事でしょうか。桜についていると結構迷彩効果が高く見つけづらいのですが、食草は桜とは一切関係ない物ばかり。よくわかんないですね。
と言った所で暖地散策はおしまいです。
さてさて、流石に虫撮るとなると普段のライティングでは厳しい面も多く、ちょっとまた手を入れようかなと言う感じになってきました。こう言う反射の弱い被写体の場合は多灯の方が映えるので、まあなんか考えねば…ですね…。