◇はじめに◇
私がフィールドで良く使う三脚、Manfrotto初のトラベル三脚Befree。こいつはとにかく軽くてコンパクトなので便利です。フィールドに、旅行に、ちょっとしたテーブルフォトのサポートにと色々役に立ってくれています。
しかし、色々持ち出す事が多いのと、
構造がシンプルな故にほんの些細な事で脚の開脚が悪くなったりする事があります。かく言う私のBefreeも、砂丘で砂にまみれたり、ガレージで油まみれになったり、潮風に当たったり酷使したが故に開脚がスッカスカ&砂の詰まったようなジャリジャリ音がなる状態になってしまいました。
そんなわけで、三脚用グリスを使って脚の開脚可動部のグリスをさし直ししてみました。同じようにやってみようと言う方は一般的なグリスでも問題ないと思いますが、三脚の開脚動作のトルク感、重さに直結するので、グリスは好みに合わせて良く選んでください。
◇分解・洗浄◇
Manfrottoの三脚の分解はと言うと、殆どの製品がトルクスねじを採用しています。ヨーロッパ製の車やバイクがお好きな方、HDDの分解をやった事がある方ならお馴染みだと思いますが、知らない人にはなんじゃそれ?なトルクス。簡単に言ってしまえばねじ山がプラスでもマイナスでもなく、六角星形をしたねじの事です。これを外すためには特殊と言う程特殊な工具は必要なく、トルクスドライバー(Befreeには付属しています)があれば簡単に外す事が出来ます。
それ以外に用意しておくと良いものは、汚れた脚や洗浄を終えた脚を置いておく新聞紙などの紙や要らないタオル、パーツクリーナー、つまようじ、かなり大き目のクリップor洗濯バサミorクランプ等でしょうか。
←よくあるこの手の精密ドライバーセットで、内容にトルクスT20がある物を選べば今回のBefreeのような三脚は分解可能です。
では早速分解します。
分解の際はセンターポールを少しだけ上にあげておくとトルクスねじが回しやすいです。

今回は開脚部のグリスのさし直しをするだけなので、以下の写真のオレンジで囲った3本のねじを外します。

この時足を挟み込んでいるベース部分をしっかり押さえておいてやった方が良いかと思います。押さえておいた方が良い理由はセンターポール固定用のねじおよび金具がスプリングで飛ばされやすいためです。
上の三本のねじを抜くとベース部分がかぱっと開き、脚が簡単に取り外せます。

少々見辛いかもしれませんが、開いたベース部分の中に見えるのはセンターポール固定用の金具、スプリング、ナット、ねじの4パーツです。配置を覚えておき、これも一旦取り外しておきます。
外れた脚の方はこんな感じ。

元のグリスがべったりついています。
で洗浄、乾燥を終えたパーツたちがこちら。

◇グリスの塗布・組立◇
パーツの水気が切れ、十分に乾燥している事を確認したら、今度はグリスを塗り付けて行きます。
今回はたまたまGITZOの三脚用グリスが安く手に入ったのでそれを使ってみる事にします。

容量の割にはやや高いかなぁと言う印象のグリスです。まぁ1個3000円もしていた時代があったと思うと随分安くなりました。
と言う訳で早速三脚の脚に塗り付けて行きます。

量は足の稼働の重さに直結するので好みがありますが、私は上の写真の倍量程。重めが好みな方は少なめの方がいいでしょう。これをつまようじなどで薄く延ばしながらまんべんなく塗り付けて行きます。この際に綿棒なんかを使うと、やっぱり糸くずなんかがついてしまうのでお勧めしません。また、ねじ穴等にグリスが入らないように注意してください。
基本的にやる事はこれだけで、あとは元通り組み上げるだけです。
ただこの組み上げが手作業で雑にやってしまうと、脚を挟み込む際にセンターポール固定用ねじが飛んで行きやすいので気をつけて下さい。ベース部分の金具で脚を挟み込む形になるのですが、この金具をクリップなどで挟んでおくか、或いは誰かの手を借りて押さえておいてもらう等すれば簡単に組み上がると思います。
以上で私の三脚の足の可動は滑らかに、かつ私好みに復活しました。
今回の記事では脚の可動部だけでしたが、脚の清掃がしたい場合の分解もロックレバーのトルクスを外して、固定具を外すと簡単に分解できますので、試してみてはいかがでしょうか。
TopPageへ戻る