◆AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR レビュー
作成日:2011.10.15 更新日:2013.01.29

撮影例は16mm、開放F5.6、SS1/30、ISO200 -0.7EV。
なお、このレンズを使った他の撮影例はPicasaにアップしてありますので参考にどうぞ。
(20120310_京都東山花灯路の全てと、20111009_赤目四十八滝の一部はこれで撮影しています。他のレンズでの写真も混ざっているのでExifで判別してください。)
※Google社はPicasaからGoogle+への機能移行を図っているようで、Picasaのタグ機能が正しく動作しなくなったようです。このレンズ固有の作例は追ってこのページに追加して行こうと考えております。
(※この記事で使用しているボディはNikon D90 / D7100です。)
◇購入経緯◇
たまおやが購入した7本目のレンズです。旅行用に1本(或いはマクロを併用して2本)でコンパクトに済ませたい、と言った要求から購入に至りました。以前持っていた18-105は私の用途においては僅かに広角側が足りないと思っていたのを考慮してのチョイスです。標準レンズは既にタムロンの28-75mmF2.8を所持していますが、あちらはF2.8がどうしても必要な時や、柔らかさが欲しい時、それなりに寄って撮影したい時、広角側が必要ない時用として使っていますので、どちらかと言うと広角を重視しつつも、旅行時に嵩張らないレンズ、風景に強いレンズを…と言う事でこのレンズを選択しました。
◇使用用途◇
旅行用の主力であり、被写体ブレが心配ない物・F2.8等大口径レンズのボケ味が必要ないシーン、作品作りよりも記録を優先するシーンでの撮影に良く使っています。
状況次第では55-300VR、TokinaM35、Tokina107等と組み合わせてシステムをコンパクトにまとめたい時にも使用しています。
◇焦点距離◇
フルサイズ換算で24-127mmと、FX用24-120mmF4 VR相当の画角をカバーします。特に広角側16mmは旅行時のちょっとした風景等で活躍するので便利です。
◇F値◇
広角側F3.5、望遠側5.6とお世辞にも明るいレンズとは言えません。
そのF値のためボケを生かした表現力があまり得意でない事や、暗所で高速シャッターを切るには暗いレンズである事など、普及ズームなりの欠点は多いです。
◇光学性能◇
レンズの描写の特徴としてはボケが小さく硬いので、ボケが煩くなる事が多いようです。またやや硬いイメージの写真に仕上がる事が多い印象を受けますが、他のキットレンズ等と比べて飛び抜けてシャープに写る…と言った事はないようです。ピクチャーコントロール搭載機種でソフト目な設定を施してもどこか硬さが残ってしまいます。広角側は周辺部に流れが顕著に見て取れます。また歪曲収差も大きめです。広角側では開放〜F5.6前後が飛び抜けてシャープネスが高く、望遠端はやや解像力が落ちます。(表現として紛らわしいですが、キットレンズと比べて飛び抜けて解像する訳ではありません。)
◇接写性能◇
最大撮影倍率0.21倍、最短撮影距離38cmと、接写に使うには物足りないレンズです。
◇機械部分◇
普及用ズームだけあってか比較的完成度は高めでフルタイムMFにも対応しています。ただ微妙に取り回しの面で不便なのが、フードを逆付けしたままではズーミングが非常にやり辛い事です。これはズームリングがレンズ前玉側、ピントリングがマウント側にあるため、フード逆付けしているとズームリングがフードに隠れてしまうためです。フードを逆付けしてバッグに収納して持ち運び、サッと取り出して撮影…の前にフードを付け直す作業は必須になってしまいます。
◇付加価値◇
リングSWM搭載、VRII搭載と普及レンズに必須とも言えるオプションは搭載しています。
SWMのAFスピードに関しては小型SWMですので、他の小型SWMの18-105などと大きな差はありません。 VRに関してもVRIIの効果はテレ端85mmと言う絶妙な焦点距離との組み合わせのせいか覿面で、テレ端でもピタッと止まる感覚です。広角側は元々ブレにくい事もあって、暗所でも頑張れば手持ちでしっかり止める事が可能です。
◇重量・大きさ◇
シャープな写りで広い範囲をカバーするレンズの割には小型で軽量です。ボディにこれ1本だけを付けて出歩くのであれば、それ程嵩張らずに気楽に撮影を楽しめるでしょう。
◇価格◇
お世辞にも安いレンズとは言いがたいです。購入前は「暗いレンズのクセに高いなぁ。」と思っていたのですが、AF速度、VRII、ピシッとした硬めの描写等を考えると、焦点距離、用途さえ合っていれば充分満足できる価格だと思います。派手さが無い故に高いと言う先入観を持ってしまいがちなレンズでしょう(ネガティブな表現を使えばキットレンズと大きな隔たりのない写りにも拘らず、キットで安く売られる事がないため高値を維持している、とも言えます)。
◇備考◇
F2.8通しは必要ないけれど、キットレンズでは広角側がちょっと…と言う方に是非使ってみて欲しいレンズです。また風景等をよく撮影する方の初めてのレンズとしてお勧めしたいです。たまおやは旅行のお供にこのレンズを使う事が多いです。
◇総評◇
非常にシャープネスが高く良く写る…と評価される事の多いこのレンズですが、同F値であれば解像力はTamron 28-75mmF2.8(A09NII)に1ランク及ばない程度の解像力です。付け加えて評価するのであれば、「価格帯の割に(良く写る)」と付けたくなるそんなレンズです。それでも16mm-85mmまでの広い範囲をカバーするレンズにしては良好な部類でしょう。VRIIの補正効果も相まって暗所で手持ちでもそこそこ撮影できますし、AFもそれなりに早くシャッターチャンスを逃しにくい為失敗作を作りにくい…と言う面では良いレンズです。シャッターチャンスを拾いやすいと言う意味では良いレンズですが、評判を過信しすぎると肩透かしを食らうでしょう。派手さに欠けますが地味で良いレンズです。
(10段階評価。☆は1点、★は2点。)
□光学性能(解像力) | ★★★★ |
□光学性能(ボケ) | ★★ |
□機械性能 | ★★★★ |
□コストパフォーマンス | ★★★☆ |
□総合点 | ★★★☆ |
[レンズスペック] | ||
定価 | : | ¥99,750-(税込) |
レンズ構成(群-枚) | : | 11-17 |
FXフォーマット画角(対角線) | : | - |
DXフォーマット画角(対角線) | : | 83°-18°50' |
フォーカシング方式 | : | IF |
手ブレ補正機構 | : | VRII |
レンズ内モーター | : | SWM |
絞り羽枚数 | : | 7(円形) |
最小絞り | : | 22-36 |
最短撮影距離(m) | : | 0.38 |
最大撮影倍率(倍) | : | 1/4.6 |
重さ(g) | : | 485 |
最大径×長さ(mm) | : | φ72×85 |
フィルターサイズ | : | 67 |
キャップ | : | スプリング式 |
フード | : | HB-39付属(花形バヨネットフード) |
ケース | : | - |
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