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◆AF-S DX NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6G ED VR レビュー
作成日:2010.09.13  更新日:2013.06.21
18105撮影例
撮影例は70mm、開放F5.6、SS1/125、ISO200。


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このレンズを使った他の撮影例はPicasaにアップしてありますので参考にどうぞ。
20110504_京都鞍馬貴船の半分以上はこのレンズで撮影しています。一部90mmマクロでの写真も混ざっていますが、Exifやタグ等で参考にして下さいませ。
また、爬虫類や昆虫等閲覧者の好みに左右される物を多数含みますが、このレンズで撮影した写真には全てタグ付けしておりますので、それらに偏見のない方はこちらからどうぞ。
※Google社はPicasaからGoogle+への機能移行を図っているようで、Picasaのタグ機能が正しく動作しなくなったようです。このレンズ固有の作例は追ってこのページに追加して行こうと考えております。


18105 (この記事で使用しているボディはNikon D90です。)
◇購入経緯◇
 D90を購入する際に初めてのレンズとして、当事発売間近だったSIGMAの17-70mmF2.8-4 OS HSMと悩みに悩みましたが、結局発売を待ちきれずD90 18-105キットレンズとしてこのレンズを購入しました。

◇使用用途◇
 旅行などとりあえずこれ一本で、と言った向きのレンズです。DXフォーマット用の広角始まりのズームレンズと言えばこれ以外にも18-55mmや16-85mm、18-200mm等色々ありますが、何を重視するかでそれぞれ選べば良いと思います。このレンズの売りは、「キット崩れの安価な物が良く流通している事」と、「ボケが比較的柔らかく、解放からそつのない写りをする優等生」である事でしょうか。
  より広角を重視するのであれば16-85mmを、寄れる事を重視するのであれば18-55を、より広いレンジ(焦点域)をカバーしたいのであれば18-200mmを選ぶと良いでしょう。(もちろん使用用途によっては他のレンズと組み合わせて使う事も必要かと思います。)
 競合するレンズが多数ある標準ズーム激戦区の中であえてこのレンズを選ぶとすれば、「18-105mmの焦点域を満遍なく頻繁に使うが、レンズ複数本は持ち歩きたくない。」とか「キット崩れの安価な物を狙う。」とか言った事情が主でしょう。逆に言えばそう言った用途以外では、より良いレンズを複数本使った方が結果満足行く事になると思います。


◇焦点距離◇
 18mmの広角域から105mmの中望遠域までをカバーする標準系ズームレンズです。フルサイズ換算すると27mm-157mmとカバーする範囲はかなり広く、そう言う意味では非常に扱いやすいです。個人個人との相性もあるかと思いますが、広角や中望遠以遠、接写をさほど要求しない方であればこのレンズ一本で充分撮影を楽しめる範囲と言えるでしょう。

◇F値◇
広角側F3.5、望遠側5.6とお世辞にも明るいレンズとは言えません。
ボケを生かした表現に不向きであったり、暗所での高速シャッター向きではないなど、このF値なりの欠点は多いです。

◇光学性能◇
 焦点距離的には便利なレンズですが、解像感の面で言えば飛び抜けて優秀・・・とはいきません。一般的には特に望遠側開放ではその傾向は顕著で、周辺の流れも見て取れます。 絞り込めば少々マシにはなりますが、それでも望遠端を中心に少しばかり眠い印象であることが多いです。
 個体差かも知れませんが、GANREFやその他のシャープネスのテストでは広角域は開放が一番解像力があると言うデータになっているのですが、たまおや所有の一本は広角側のピークはF5.6で、焦点域も24-35mmがピークでした。ボケ味に関しては特筆する事もなく、F値なりに普通…。と言った印象です。
 とは言え流石に並のコンデジ等に比べるとワンランク上の画ですし、写真は機材スペックが全てではありませんので、望遠があまり必要のない人(ご自身のニーズとこのレンズの焦点域、明るさがマッチする人)はこれ一本でシャッターチャンスを優先するのも悪くないかも知れません。

◇接写性能◇
  最大撮影倍率0.2倍、最短撮影距離45cmと、とてもマクロ向きのレンズとは言えません。
身近な物等を大きく写したい時は良くあるかと思いますが、一眼レフ、レンズに不慣れなうちは「こんなに離れないとピント合わないの!?」と思わせる程度には寄れないレンズです。

◇機械部分◇
  距離指標もなく、フルタイムマニュアルフォーカスもできない廉価レンズです。全般的にプラスチッキーな安レンズと言う印象は拭えません。

◇付加価値◇
  安レンズですがSWM搭載、VR搭載と、最低限のオプションは搭載されています。
SWMのAFスピードに関しては「やや速い部類」であって、決して物凄く速くも遅くもありません。所詮小型SWMの速度、と言う程度です。
VRに関してもあまり効果を感じられませんでした。テレ端焦点距離が105mmF5.6ですので、シチュエーション次第ではブレを防ぐのが難しい焦点距離ですし、逆に屋外等の明るい場所では高速シャッターを切れる事が多いからかも知れません。

◇重量・大きさ◇
  良くも悪くも標準的な大きさのレンズと言って良いのではないでしょうか。勿論装着するボディや、個人の腕力の問題もありますので、一概に大きい小さい、軽い重いとは言い難いですが、無理のないバランスに仕上がっているとは感じます。重さは外見の割には軽いと言って良いでしょう。

◇価格◇
 キットレンズとして入手すればかなりお安く入手できますし、新品に拘らなければキット崩れの中古品が大量に出回っています(2009-2011年頃、私が確認した限り。)。その為1万円〜2万円程度も出せば簡単に手に入るレンズですので、レンズにしては非常に安いと言えます。ただし新品として買うのであればかなり割高なレンズだと思います。

◇備考◇
  色々な事情を勘案しても激戦区である標準ズームレンズにおいて、わざわざこのレンズを選ぶ必要性は少ないように感じます。
どんなレンズを選んで良いのかわからないビギナーの方は、将来より良い写りをするレンズを求める前提で18-200mmVRのようなより広範囲をカバーするレンズを選ぶか、18-55、55-200と言ったダブルズームキット的な構成で画角探しをした方が良いのではないでしょうか。
 そしてカメラに詳しい方、慣れている方はより軽量な18-55mmVRや、16-85mmVR等のより定評のあるレンズ、各社F2.8通し大口径標準ズーム等目的に合わせて選んだ方が良い結果を得られる気がします。
よくも悪くも便利ズーム系入門レンズであり、 コストパフォーマンスの面や、旅行時にこれ一本で済ませたい等の向き以外では、特筆するような優れたポイントはないと言って良いでしょう。
個人的にはこのレンズと撮影者の相性が悪く、使用シーンが殆どなかったため売却しました。

◇総評◇
 ここまで散々酷評しましたが、安価に入手する手段に優れたこのレンズは、どうレンズシステムを組むか次第では活躍の場面もあるでしょう。高級ラインナップには到底及ばない物の、尖ったクセもない平均的な優等生…と言った印象ですので様々な面で安定していると評価できるかもしれません。

(10段階評価。☆は1点、★は2点。)
□光学性能(解像力) ★★★☆
□光学性能(ボケ) ★★☆
□機械性能 ★★
□コストパフォーマンス ★★★★☆
□総合点 ★★★



[レンズスペック]
定価:¥68,250-(税込)
レンズ構成(群-枚):11-15
FXフォーマット画角(対角線):DXフォーマット専用
DXフォーマット画角(対角線):76°-15°20'
フォーカシング方式:IF
手ブレ補正機構:VR
レンズ内モーター:SWM
絞り羽枚数:7
最小絞り:22-38
最短撮影距離(m):0.45
最大撮影倍率(倍):1/5
重さ(g):420
最大径×長さ(mm):φ76×89
フィルターサイズ:67
キャップ:スプリング式
フード:HB-32(花形バヨネットフード)付属
ケース:CL-1018(専用ポーチ)付属

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