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◆AF-N 28-100mm F3.5-5.6Gマクロ改造 レビュー
作成日:2011.11.06  更新日:2012.01.24
ZoomMicroNikkor撮影例
撮影例は100mm、F22.0、SS1/60、ISO200。


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このレンズを使った他の撮影例はPicasaにアップしてありますので参考にどうぞ。
(20111108_緑地公園_昆虫アップは全てこれで撮影していますので参考程度にどうぞ。)
また、爬虫類や昆虫等閲覧者の好みに左右される物を多数含みますが、このレンズで撮影した写真には全てタグ付けしておりますので、それらに偏見のない方はこちらから。
※Google社はPicasaからGoogle+への機能移行を図っているようで、Picasaのタグ機能が正しく動作しなくなったようです。このレンズ固有の作例は追ってこのページに追加して行こうと考えております。


nowprinting (※この記事で使用しているボディはNikon D90です。)
◇購入経緯◇
 たまおやが購入した9本目のレンズです。本来このレンズは標準ズームレンズですが、自然写真家の海野和男先生やSSPメンバーが撮影されている「前玉外しマクロ」の魅力に取り付かれ、自分もやってみたいと思い購入に至りました。
 なお、この改造マクロはAF-N28-80mmF3.3-5.6G(※F3.5スタートの方ではない事に注意して下さい。)等の前玉が凹レンズの形をしていてかつ、中間のレンズがあまり複雑に動かないズームレンズ等が向いているようです。Nikkorレンズでは前述のAF-N28-80mmF3.3-5.6GとこのAF-N28-100mmF3.5-5.6Gが最も一般的に用いられます。(両方とも改造方法は簡単です。)

◇使用用途◇
等倍以上の接写を必要とする場合に使用。
主に昆虫の顔アップ等に利用しています。

◇焦点距離◇
 元のレンズは28-100mmですが、改造後はレンズ先端数cmの範囲でしかピントが合いません。

◇F値◇
開放F値はF3.5-5.6と暗いレンズな上に、接写しかできない特性上、ストロボ等の併用は必須かと思います。

◇光学性能◇
 その描写力は現行のマクロレンズと比べても遜色が無い程にしっかりシャープに写ります。が、接写しかできないため単純比較は難しいかなと思います。
 
◇接写性能◇
  最大撮影倍率は広角側28mmで0.75倍前後(目算なので改めて計測し直します)、100mm側で2.05倍前後の超高倍率レンズです。レンズ先端数センチでしかピントが合いませんので、遠景を写す事は不可能です。テレコンバーター等を併用する事でかなりの倍率を稼げます。昆虫顔写真のアップを撮る場合には欠かせない高倍率撮影が可能です。テレコンバーターを併用する事で更に最大撮影倍率を上げる事が可能です。(Kenko テレプラス MC7 DGの併用では3.630倍撮影が可能でした。)

◇機械部分◇
  元のレンズがGタイプレンズなので絞り環はなく、前玉(第一群レンズ)を除去してしまっているのでAFも効きません。取り回しとしてはクローズアップレンズに近い部分があります。AEはそのまま使用可能です。

◇付加価値◇
 AEが使えるだけのマクロ撮影専用レンズですので、レンズ性能自体が付加価値的です。尚、ワーキングディスタンスが非常に短いため、被写体に如何に光をまわすかで苦労するかもしれません。

◇重量・大きさ◇
  第一群レンズ、第二群レンズを取り除いているため非常に軽いレンズです。計測していませんが、手で持った感覚では100gもないのではないでしょうか。

◇価格◇
 現在、流通量が殆ど無いですが、元のレンズの性能は微妙なため非常に安価な中古レンズが入手可能です。前玉外しレンズとしてのコアな人気が少しあるため、若干値段は値上がり気味です。

◇備考◇
 レンズを壊してしまうため、様々な面でデメリットがあります。まず当然の事ながらメーカーサポートの一切を諦める必要があります。またマクロ専用レンズですので、レンズ先端数センチ以外の部分ではピントが合いません。ニッチな用途専門のレンズとなっています。改造は第一群レンズと第二群レンズを取り除く事で可能です。

◇補足◇
最大撮影倍率の補足。
まずは被写体のサイズの参考画像から。


シグマ70mmマクロで等倍撮影した際の写りの大きさ。


改造マクロ単体(テレコンバーターを併用しない場合)の最大撮影倍率。


Kenko テレプラスMC7 DG(2倍テレコン)を併用した場合。


◇改造方法◇
改造方法を時々質問されるので、ざっくりですが記載しておきます。
前置きとして、この改造をしてしまうとメーカーサポートの一切を諦める必要がある事に御注意下さい。またこの記事を元に改造を行った事によるトラブル等、当方は一切責任を負いかねますのでその点、充分に御注意下さいませ

まずはレンズ自体をどうにかして入手します。
今回改造に使ったレンズは「Nikkor AF-N28-100mmF3.5-5.6G」です。随分前にディスコンになったレンズで、元々さほど売れなかったためか中古市場でもさほど弾数は多くありませんが、5000円〜7000円もあれば充分状態の良いレンズが手に入ります。
第一群、第二群レンズは外してしまうので、それらに傷・カビがあるような安い物を手に入れるのも一つの手かもしれません。

他のレンズでは若干改造方法が異なるかもしれませんが、基本は同じはずです。

ではまず、前玉(第一群レンズ)を外します。
前玉を固定しているリングに2箇所切り欠きがありますので、カニ目工具等を使って外します。
カニ目工具がなければステンレス定規等、薄くて硬いものでグリグリ押しても外れますが、削れたり前玉に傷が付く可能性はあります。

上は外したリングと前玉。
前玉を外してしまった事により、この時点でAFは完全に効かなくなります。

続いて第二群レンズも外します。第一群同様にリングに切り欠きがあるのでグリグリ回すと案外簡単に外れます。

第二群レンズと共に、蛇腹が一緒に外れました。
この第二群レンズと蛇腹は接着されているのですが、蛇腹だけは必要なので接着されている部分をカッター等で切り取ります。尚この工程をやってしまうと接着剤を使わない限り、元の形に戻す事は不可能となります。
蛇腹とリングを切り離すと、第二群レンズが取れるので取り除きます。
リングに第二群レンズが割としっかり固定されているので、ぐいぐいっと力を入れて外してしまいます。

蛇腹、第二群レンズ、リングはこんな感じに分離できます。

第二群レンズは邪魔なので取り除きましたが、蛇腹が必要なので、リングと蛇腹を元の形に接着してしまいます。

接着してしまうとこんな感じ。蛇腹を戻さないと、盛大にフレアが出てまともに撮影することができませんし、接着せずに蛇腹とリングだけ戻すと、ズーミングの際にレンズ内で蛇腹がぐしゃぐしゃになってしまいますので接着して戻す方が良いでしょう。
接着剤が充分に乾いたら、レンズ内に蛇腹とリングを戻します。取り付けた時と反対回しにねじ込んでいけば装着できます。

以上で完成ですが、このままだと埃が大量に混入してしまうので、62mmレンズプロテクターを付けて置く方が良いと思います。


◇総評◇
 等倍以上の撮影が必要になるケースでは他に選びようがないため、他との比較した評価はしづらいです。改造によってかなり軽くなるため、フィールドのお供としてバッグに忍ばせておくと何かの時に役に立ちます。


(10段階評価。☆は1点、★は2点。)
□光学性能(解像力) ★★★★
□光学性能(ボケ) ★★★☆
□機械性能
□コストパフォーマンス -
□総合点 -




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