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◆Ai AF Zoom Micro Nikkor 70-180mm F4.5-5.6D レビュー
作成日:2011.06.06  更新日:2012.06.04
ZoomMicroNikkor撮影例
撮影例は82mm、F8.0、SS1/60、ISO200。

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このレンズを使った他の撮影例はPicasaにアップしてありますので参考にどうぞ。
(20110605_緑地公園及び、20110608_天王寺動物園20110807_日本平動物園は全てこれで撮影しています。)
また、爬虫類や昆虫等閲覧者の好みに左右される物を多数含みますが、このレンズで撮影した写真には全てタグ付けしておりますので、それらに偏見のない方はこちらから。
※Google社はPicasaからGoogle+への機能移行を図っているようで、Picasaのタグ機能が正しく動作しなくなったようです。このレンズ固有の作例は追ってこのページに追加して行こうと考えております。


nowprinting (※この記事で使用しているボディはNikon D90です。)
◇購入経緯◇
 たまおやが購入した6本目のレンズです。
18-250mm OS HSMを使った画角探しと70mmと90mmをある程度使った感覚から、150mm〜180mmクラスの望遠マクロが欲しくなりました。SIGMAやTAMRONの180mmマクロや純正Nikkorの200mmMicroも検討しましたが、それらの作例を調べている内にこのレンズの存在を知りました。 生産終了品ですが世界初のズームマイクロレンズとして有名だそうです。古いレンズながらも描写には定評があり、作例も良い物が多かったので購入に至りました。

◇使用用途◇
小動物、花の撮影で使用する頻度が非常に高いです。
特にペット小動物では、飼育ケージ越しの撮影や、生体を驚かさないために距離を置いて撮影する際などに活躍します。
それ以外の用途では、人間と動物の距離がさほど遠くない動物園では非常に有用です。

◇焦点距離◇
 APS-Cで使用した場合はフルサイズに換算すると105mm-270mmとなる中望遠ー望遠系マクロです。一度フォーカスをあわせればズーミングしてもピントが合ったままと言う特徴があり、よくあるバリフォーカルレンズとは違う本当の意味でのズームレンズで、マクロレンズによる作画を大いに助けてくれます。 (※尚ZoomMicroNikkor 70-180mmの焦点距離はあくまで無限遠での話で、最短撮影距離では焦点距離が半分の35-90mmになると言う話があります。これは最短撮影距離の時の実効焦点距離についての話なのですが、私が計算した所、89.69〜158mmとなり、噂程大きな変化がある訳ではありません。全群(前群ではありません)繰り出し方式以外のレンズには必ず付いて回る話であり、各焦点距離における理論上の最短撮影距離より短い最短撮影距離で撮影可能なレンズであれば理屈上絶対に実効焦点距離は短くなります。したがってこのレンズ固有の問題ではありませんし、明確な比較対象となるレンズがあるのでなければ特に気にする必要はないように思います。)

◇F値◇
開放F値はF4.5-5.6と一見暗いレンズですが、前群繰り出し式のマクロレンズの場合は通常、撮影倍率を上げる毎に露出倍数がかかり実効F値が暗くなります。しかしこのZoomMicroNikkorは撮影倍率を上げても実効F値に変化はありません。(詳しくはNikon公式サイトのニッコール千夜一夜物語 第十八夜を参照下さい。)
望遠系ズームレンズですのでF値の割にはボケの大きさも程良く扱いやすいと言って良いでしょう。
接写以外の面ではやはり暗いレンズですので手ブレには要注意です。

◇光学性能◇
 その描写力は現行のマクロレンズと比べても遜色が無い程にしっかりシャープに写り、特に広角側ではタムロンの90mmと比べても遜色のない写りをする気がします。開放から充分シャープに写りますが、望遠側に行く程に解像力は落ちていきます。 ボケに関しては二線ボケがうるさい事で有名で、背景の処理には気を使う必要があるでしょう。
 
◇接写性能◇
  最大撮影倍率は0.32倍〜0.75倍とやや低めですが、三脚と合わせて使えば花撮影等で真価を発揮してくれそうです。最短撮影距離37cmと、接写に関しては充分な性能と言えるでしょう。
望遠側180mmと長いレンズですので、近付けない物を大きく写すテレマクロでも威力を発揮します。

◇機械部分◇
  フードはバヨネット式なのですが、最近のバヨネットフードにあるようなカチッと言う固定感はない上に取り付け指標もないため、最初は戸惑うかもしれません。 AF/MFの切り替えはスイッチ付きのリングを回転させる方式で、トキナーのM35やタムロン90mmのようなワンタッチフォーカスクラッチのように簡単に切り替えが可能です。フォーカスリングは程良いトルク感があり、MFは扱いやすいでしょう。全体的な設計は贅沢な印象ですが三脚座だけは若干チープな作りです。

◇付加価値◇
 古いレンズですので、超音波モーター(SWM)どころかレンズ内モーターを搭載していません。当然手ブレ補正機構(VR)もないので、晴天屋外でもない限りは三脚やストロボの併用を強く推奨します。

◇重量・大きさ◇
  1kg Overのレンズですのでお世辞にも軽いレンズとは言えませんが、70-200mmF2.8に比べれば一回り以上小さく軽いレンズです。望遠とマクロを凝縮したレンズですのである程度の大きさは仕方ないと言えるかもしれません。

◇価格◇
 現在、流通量が殆ど無いため、割高と言わざるを得ません。このレンズの代替になりそうなレンズ発売の噂が流れる度にオークション等に姿を見せます。

◇備考◇
 代替となるレンズが現状無く、このレンズの性能が必要であれば買うしかないレンズです。
たまおやは爬虫類撮影が主なので極力寄れて、ズーミングができるこのレンズは非常に重宝しています。
個人的な事情ですが、花撮影等ではSIGMA70mm、TamronA09NIIとこのレンズの3本をメインに使うのでTamron90mmマクロの出番がまったく無くなってしまいました。

◇総評◇
  解像力はかなり高い方で、マクロ撮影でも等倍を必要としない方、フィールドワークで何本ものマクロレンズを持ち歩きたくない方には非常にオススメです。一見F値が暗いように見えますが、このレンズで撮影する際と同じ倍率で撮影する場合、大抵のレンズで実効F値がこのレンズ同等となります。その為マクロ域での撮影において、このレンズで撮影できる最大撮影倍率で事足りる場合は他のレンズの持つアドバンテージはかなり薄れます。 特にフィールドでの花や昆虫、小動物撮影で真価を発揮するでしょう。


(10段階評価。☆は1点、★は2点。)
□光学性能(解像力) ★★★★☆
□光学性能(ボケ) ★★★☆
□機械性能 ★★★
□コストパフォーマンス ★★★
□総合点 ★★★★



[レンズスペック]
定価:¥176,400-(税込)
レンズ構成(群-枚):14-18
FXフォーマット画角(対角線):34°20′〜13°40′
DXフォーマット画角(対角線):24°83'-9°73'
フォーカシング方式:前群移動
手ブレ補正機構:-
レンズ内モーター:非搭載
絞り羽枚数:9
最小絞り:32
最短撮影距離(m):0.37
最大撮影倍率(倍):1/1.32
重さ(g):1010
最大径×長さ(mm):φ75x167
フィルターサイズ:62
キャップ:スプリング式
フード:HB-14(バヨネットフード)付属
ケース:CL-71(別売)

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