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◆Kenko TELEPLUS MC7 DG レビュー
作成日:2011.02.01  更新日:2012.05.15


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(※この記事で使用しているボディはNikon D90です。)
今回はちょっと前に手に入れた、ケンコーのテレコンバージョンレンズ(以下テレコン)の性能テストをしてみようと思います。

今回使ったテレコンはKenko TELEPLUS MC7 DG。 Kenko・Tokina製の現行(2011.02.11現在)2倍テレコンには2系統(望遠レンズ専用のPRO300シリーズと汎用のMC7シリーズ)がありますがMC7 DGXの一つ前のモデルです。このMC7 DGはPRO300より画質では劣るのですが、1つだけメリットがあります。
通常のテレコンは、その性質上大抵50mm以下(あるいは70mm以下)の焦点距離のレンズ(ズームも含む)に使用できないのです。 が、しかし、このTELEPLUS MC7は、焦点距離が原因で使えないレンズが殆どないと言われています。(*1)
(*1 全てのレンズで動作すると断言はできません。組み合わせたいレンズが使用可能かご自分で調べて下さいませ。)
なんと、AFこそ効かないものの18-250mmのような超高倍率ズームに使用することさえできてしまうのです。(尚、現行品MC7 DGXとの違いはテレコンによってかかる露出倍数を正確にカメラに伝える機能の有無です。2倍テレコンを使うと絞りにして2段分暗くなるのですが、現行DGXはこの2段分暗くなった値をカメラに伝達します。)



もう余計な前置きはここまでにして、早速試しましょう。
ではまずマスターレンズにSIGMA MACRO 70mm F2.8 EX DGを使用してのテスト。
知る人ぞ知る、カミソリマクロです。
マスターレンズのみ
↑これが、マスターレンズのみの写真。
被写体はSIGMA 18-250mm OS HSM。
ピントの合っている箇所を見れば、SIGMA鏡筒独特の質感がしっかり写っています。

テレコン使用
↑そしてこちらがテレコン使用。
x2のテレコンなので2倍の露出倍数がかかり、140mmF5.6(換算210mm)となっています。
まず色ですが、ぱっと見てわかるように明らかにイエローが乗っていますね。
撮影距離が異なるので環境は完全に同じではないですが、露出や、WB、測光方法(鏡筒の黒い部分でスポット測光⇒AEロック)も同じに設定していますが、色に差が出ました。

解像力についてはどうでしょうか。
手持ち撮影と言う撮影環境の差異によって、ジャスピン位置がそれぞれ異なっているのですが…
マスターレンズのみの撮影の方は、ジャスピン来てる場所が焦点距離指標の「28」の文字の下半分ぐらい。
マスターレンズのみアップ

これに対して、テレコン使用の方は「18」の文字の下半分ぐらいです。
テレコン使用アップ
どうでしょうか?
こうやってトリミングしてみると、マスターレンズのみの方がやはりと言うか当然と言うかシャープですね。
鏡筒部分のザラッとした質感・凹凸感がよく出ています。
テレコン使用の方はと言うと若干ぼやけた印象ですね。勿論焦点距離が長くなったせいで凹凸が弱まって見えるのもありますが。

さて、折角なのでもっと色々なレンズで試して見ましょう。
高級なレンズと組み合わせて使うようなテレコンでは無いので、逆に安価なレンズと組み合わせてみることにします。

ではまずD90+TAMRON SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (Model A09N II)+Kenko TELEPLUS MC7から。
A09広角
上の例はISO200、28mm、F2.8、SS1/50s。
露出倍数がかかっているので実際はF5.6となっています。

部分的に拡大してみると…
A09広角拡大
わずかににじんでいますが、まぁこんなところ、と言った所でしょうか。
とはいえ、ズームレンズの広角側で2倍にしても全く意味がないので、望遠側も試してみましょう。

A09望遠
上の写真も焦点距離が75mmになった以外は撮影時の設定は広角側と同じです。(手撮りなので雑ですが…)
こちらも等倍で見てみると…
A09望遠拡大
広角に比べ更に結像がぼやけている気がします。
L版や2L版程度であれば充分耐えられる画質だと思いますが、わざわざこのレンズにテレコンを使う必要性もないように感じます。

次にD90+SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM+Kenko TELEPLUS MC7で試してみます。
便利ズームにテレコンなんて言う暴挙ですが、結果はどうでしょうか。
18-250OSHSM望遠
撮影時の設定はISO200、F6.3、SS1/60s。露出倍数がかかって、AF動作対象外になっているため当然AFは動作しません。
画像自体はそれなりに見える気がしますが、等倍ではどうでしょう。
18-250OSHSM望遠拡大
見ての通り、荒いことは荒いのですが、500mm(換算750mm)の焦点距離を考えると、まだこちらの方が実用的かもしれませんね。 2倍の露出倍数で相当暗いレンズになっていますが、OSは効いているようで手持ち撮影でもそこそこ見られるようになっている気がします。 A09に使用した場合と比べると別段良いとは言えない画質ですが、マスターレンズの性能を考えたらこんな物…とも言えるかも知れません。 ただ、暗いレンズでSSを稼ぎ辛くなりますので、いくらOSが効くからと言え、750mmの手撮りMFは撮影技術的にも使えるシチュエーション的にも限定的で難しいでしょう。

さて色々試してみましたが、やはり『テレコンを使うと画質が劣化する。』と言う定説通りと言ったところでしょうか。 ただその劣化も、一概にマスターレンズの性能次第とは言えず、組み合わせるレンズの光学系との相性によるものがあるのだと思います。他に組み合わせて面白いレンズがあるかもしれませんね。
ただこのテレコンを使用する際は、イエローががっつりかぶるのでWBを若干補正する必要があります。



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