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◆Tokina AT-X 107 DX Fisheye レビュー
作成日:2011.07.13  更新日:2013.05.29
Tokina107撮影例
撮影例は17mm、F11.0、SS1/250、ISO200 (D90)

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 このレンズを使った他の撮影例はPicasaにアップしてありますので参考にどうぞ。
20110828_大阪兵庫県境_能勢妙見山の内4枚程度はこのレンズで撮影しています。一部XZ-1での写真も混ざっていますが、Exifやタグ等で参考にして下さいませ。
また、爬虫類や昆虫等閲覧者の好みに左右される物を多数含みますが、このレンズで撮影した写真には全てタグ付けしておりますので、それらに偏見のない方はこちらから。
※Google社はPicasaからGoogle+への機能移行を図っているようで、Picasaのタグ機能が正しく動作しなくなったようです。このレンズ固有の作例は追ってこのページに追加して行こうと考えております。


(※この記事で使用しているボディはNikon D90 / D7100です。)
◇購入経緯◇
 私はこのレンズを購入していませんが、何かと借りる機会が多いレンズな 2013年、正式に譲り受けましたのでレビューしてみる事にします。
  純正やサードパーティでも単焦点の魚眼レンズはあるものの、魚眼ズームはかなり珍しいのではないでしょうか。ペンタックスブランドからTokina107と同様のレンズが販売されていますが、ケンコー・トキナーとペンタックスは光学系を共同設計しているレンズが多数あると言われており、機械部分こそ異なるものの光学性質自体はこのレンズと同じだと思われます。
  デジタル専用(APS-C専用)ですが180度(対角)から100度までの広い画角をカバーしてくれるレンズで、特に風景撮りや被写体に思い切り寄ってデフォルメ効果を与える撮影で活躍してくれます。

 私の場合は広大な風景や、魚眼効果を生かしたデフォルメ撮影の際に使用する事が多く、標準ズームのお供として持ち歩く以外にも、昆虫(主に蝶等)や動物、植物撮影の際に周りの環境も取り込んで撮影する等の用途で活躍しています。

撮影例は10mm、F3.5、SS1/60、ISO100 (D7100)

 フルサイズに換算すると15mm-25.5mm相当の画角をカバーする魚眼ズームですが、魚眼ズームなので180度〜100度までをカバーしている、と言った方が伝わりやすいのではないかと思います。但しこのカタログスペックが少々曲者でして、17mm側画角が100度なので、一般的な17mmスタートや18mmスタートのズームレンズの画角とは繋がらない場合が殆どです。(一般的な17mm/18mmレンズのAPS-Cにおける画角は80度〜75度前後が多いため、100〜80度の範囲を多用する方は注意が必要です。)
少々脱線となりますが、標準ズームに画角をスムーズにを繋げたい場合は、Tokina116DXIIやTokina124DXII、後継のTokina12-28mm F4の方が良いかもしれません。 116は11mm〜16mmまでの超広角ズームでありながらF2.8通しである事が強みです。また124は12mm〜24mmまでの広角ズームで、焦点距離は107や116に、F値では116に一歩譲る反面、画面端まで破綻の少ない描写がウリで定評があります。

 広角側F3.5、望遠側4.5と言うと明るいレンズとは言いがたいですが、超広角という特性上風景撮影に用いるのが一般的ですので、そう言う意味では「どうせ絞り込んで使う物」と言う考え方もできるでしょう。また元々超広角レンズですので、被写界深度は深めなため、最大限寄って絞り開放でも何となく背景の雰囲気がわかる程度のF値です。残念ながら大きなボケを生かした撮影には向きません。

◇光学性能◇
 魚眼系超広角ズームと言う特性上他のレンズと比較しにくいのですが、魚眼レンズですので当然周辺部の描写は流れますし、解像力も他の魚眼や広角ズームに比べて後れを取ると思います。 しかしながら、魚眼+広角ズームが一体化しているレンズはニコンFマウントにおいてはこれ以外にありませんので、単純に解像力だけで比較できない魅力があるレンズです(ペンタックスには同光学系のレンズがありますし、キヤノンEFマウントにも純正魚眼ズームがあるようです)。流石に単焦点には劣るものの12Mクラスのセンサーでは充分満足できる写りをしますし、写りより利便性を…となるとこれ以外に選択肢はないでしょう。

◇接写性能◇
  最大撮影倍率0.39倍、最短撮影距離14cmと、ハーフマクロに近い接写性能を持っています。 昆虫や花撮影(特に蝶)などで被写体と共に背景を写しこみ、世界観を表現する際にとても役に立ちます。また犬等の鼻でか写真なんかも撮りやすいのではないでしょうか。

◇機械部分◇
 まず魚眼レンズの宿命ですがプロテクトフィルターを装着できません。最短撮影距離が短いので、マクロ的な使い方もできますが前玉の接触には気をつける必要があります。海外からの逆輸入品にはフードも付いておらず、寄って撮影する際はくれぐれも御注意下さい。
 また、多くのトキナーレンズがそうなので改めて書く必要もないかもしれませんが、このレンズはレンズ内モーターを搭載しておりません。したがってボディ内モーター非搭載機種(2013/05/29現在の現行ボディではD3100、3200、5100、D5200等)ではAFが利きません。従ってAF速度はボディに完全に依存する形となります。
  それ以外の点ではズームリングが軽く、簡単に焦点距離が動いてしまう事は難と言えるかも知れません。広角端で風景撮影した後、次のポイントに移動している間等に簡単に焦点距離がズレていたりする事がよくあります。

 前述の通りモーターを内蔵していませんし、APS-C専用のレンズです。トキナーレンズは手ブレ補正機構を搭載したレンズを未だに発売していませんので、当然ながらこのレンズも手ブレ補正機構を搭載していません。

◇備考・総評◇
 簡単に言ってしまえば唯一無二の軽量コンパクトな魚眼-超広角系の便利ズームです。描写は単焦点等には大きく後れを取りますが、利便性は非常に高く、持っておいても損のないレンズだと思います。価格の面でも一般的な魚眼と広角のどちらか1本を買うよりも安いケースが多く、そう言う面では破格とも言えます。
 また、標準ズームをメインに据えた旅のお供等に持っていても役に立つシーンは多いはずです。描写は少々甘めで、ビシッとした直線的な表現は苦手ですが、逆に歪みをふんだんに生かした表現はなかなか面白いですし表現の幅は広がります。テレコン等を併用すると広角ハーフマクロ的な運用も可能なので、昆虫撮影等にも便利ではないでしょうか。
 ただし望遠端は焦点距離の割に画角が広く、一般的な17mmよりかなり広く写ります(画角的には一般的な12mmレンズ相当)。
 魚眼と超広角ズームが非常にコンパクトな一本にまとまっているので、風景を撮るかもしれない時等にバッグに忍ばせておくと大変便利です。魚眼も広角も両方持って行くのは重い、フットワークを優先したいと言った場面や、広角も魚眼もメインじゃないけどたまに使いたい…と言う方には大いに助かる存在だと思います。







[レンズスペック]
定価:¥86,100-(税込)
レンズ構成(群-枚):8-10
FXフォーマット画角(対角線):-
DXフォーマット画角(対角線):180°-100°
フォーカシング方式:IF
手ブレ補正機構:-
レンズ内モーター:非搭載
絞り羽枚数:6
最小絞り:22
最短撮影距離(m):0.14
最大撮影倍率(倍):1/2.56
重さ(g):350
最大径×長さ(mm):φ70x71.1
フィルターサイズ:装着不可
キャップ:嵌め込み式
フード:レンズ先端部に固定
ケース:-

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