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◆TAMRON SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (Model A09N II) レビュー
作成日:2010.09.13  更新日:2011.11.01
A09NII撮影例
撮影例は72mm、開放F2.8、SS1/100、ISO200。

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このレンズを使った他の撮影例はPicasaにアップしてありますので参考にどうぞ。
(20100429_都市緑化植物園(豊中)は全てこれで撮影しています。他にも使用頻度は高めなので、20100718_鳴門海峡など時々このレンズを使用している例も混ざっています。)

また、爬虫類や昆虫等閲覧者の好みに左右される物を多数含みますが、このレンズで撮影した写真には全てタグ付けしておりますので、それらに偏見のない方はこちらから。
※Google社はPicasaからGoogle+への機能移行を図っているようで、Picasaのタグ機能が正しく動作しなくなったようです。このレンズ固有の作例は追ってこのページに追加して行こうと考えております。


2875 (※この記事で使用しているボディはNikon D90です。)
◇購入経緯◇
 たまおやが購入した4本目のレンズです。 SIGMAの18-250mm F3.5-6.3 OS HSMで画角探しをした末、私のメイン被写体では明るい35-70mmをカバーするレンズが必要と判断したためAPS-C用大口径標準ズームでなく、フルサイズ用大口径標準ズームで比較検討しました。
フルサイズ用のF2.8標準ズームは純正、サードパーティ共に出しているレンズなので、最初は純正のNikkor 24-70 F2.8やSIGMAの24-70mmF2.8とこのレンズで悩みました。 しかし調べてみるとSIGMAは広角端から35mm前後までをピークとした作りのようで、作例もあまり好みではなかったため一番最初に脱落。残った純正と迷いましたが、D90とのバランスを考えた結果、D90に24-70mmF2.8は大きすぎる重すぎる(フロントヘビー)かなと思えたことと、価格差程の性能差を感じなかった事、そして何よりこのレンズは安いレンズなので失敗してもダメージが少ないと思えたこと、私個人の用途では広角側より望遠側の方が必要だったこと、それからなんちゃってマクロの有無等様々な要因でこちらを購入するに至りました。

◇使用用途◇
 ボケ表現としてF2.8〜F4前後が必要な時や、なんちゃってマクロが欲しい時、AF-S16-85mmVRでは被写体ブレが防ぎきれないようなシャッタースピードを要求するシーン(水族館等の屋内)で主に活躍します。 また、開放F2.8ではシャープネスに欠ける為、逆にこれを利用した女性ポートレート撮影や花撮影等の柔らかさが必要なシーンでも活躍します。旅行時にコレ一本で…となるとAPS-Cでは少々厳しいです。

◇焦点距離◇
  APS-Cで使用した場合はフルサイズに換算すると42mm-112.5mmとなる標準〜中望遠系ズームです。花や小物類の撮影からポートレート・スナップなど最も扱いやすい部類の焦点距離です。最大撮影倍率は低いながらも、料理等テーブルフォトの撮影にも扱いやすいです。APS-Cで旅先に持って行くなどの一般的な使い方をするのであれば、広角側がやや不足する印象です。特に風景なども撮る事がある…となると若干不便に思うかもしれません。 人物や動物など比較的近い距離で撮影可能な被写体に向いているレンズだと感じます。風景も含めて考えるのであればNikkor 16-85mm VRやNikkor 18-70mm等のDX用標準ズームか、同じF2.8通しであれば18mm前後〜50mmまでをカバーするようなレンズの方が良好な結果を得られるかもしれません。

◇F値◇
開放F値はズーム全域F2.8で、IF方式の為フォーカシングによるF値の変化もありません。

◇光学性能◇
 ワイド端では樽型の歪曲収差が、テレ端では糸巻き型の歪曲収差が若干残りますが、APS-Cにおいては素人目にはあまり気にならない印象です。
テレ端は開放付近から解像力が高くとにかく優秀な印象です。ワイド側から35mmぐらいまでの開放はややシャープネスに欠けるものの一段絞り込んだF4以降急激にシャープネスが上がり、35mm以降は良好な描写を見せます。 なんでもいいから明るい標準ズームを格安で、となるとオススメしたいレンズです。 またタムロンレンズ特有の色乗りで、少しアンバー傾向やや彩度が高め、コントラスト高めの発色をするのも特徴です。
 
◇接写性能◇
  最大撮影倍率0.256倍、最短撮影距離33cmと、MACROを謳っている割りには控え目の接写性能です。
お世辞にも接写向きと言える性能ではないのが残念な所ですが、一般的な使い方では充分な倍率です。

◇機械部分◇
 フルタイムマニュアルフォーカスには対応しておらず、距離指標もありません。
鏡胴も全体的にチープな作りでプラスチッキーな印象です。
なお、A09Nにはロットによるバリエーションがあるようで、レンズ名称が刻印されたリング部分が黒地に金字の初期A09N、リングが金地に黒字のA09NII(モーター内臓)、更にリング部分が金地に黒字ではあるもののテーパー(面取り)部分だけが黒いA09NIIがあるそうです。
最終の金地、黒字、黒テーパーのA09NIIは内臓モーターを調整しているそうで、AF速度が(超音波モーター非搭載レンズにしては)とても速いです。(体感レベルですが、少なくともAF-S DX NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6G ED VRよりは速いと思います。)

◇付加価値◇
 モーター有無は前述の通りロットによりますが、手ブレ補正機構は搭載していません。その他の機能といえばズームロックスイッチが付いている程度です。

◇重量・大きさ◇
  同クラスの大口径レンズに比べ、軽量でコンパクトです。

◇価格◇
 F2.8ズームが3万円前後で手に入る事を考えると、非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。

◇備考◇
 一般的には当り玉と外れ玉の差が酷いレンズと言われているそうですが、私のレベル(用途)では自分の個体が当り玉か外れ玉かあまり区別が付きません。ただし遠景や暗所等、AFにとって条件の悪い撮影においてはAF精度が出にくい気がします。(特に遠景は苦手な模様。)

◇総評◇
  APS-Cでは広角不足な印象ですが、F2.8通しかつこの焦点域をカバーしているレンズで寄れるのは貴重です。10cm以上ある被写体であれば充分に大きく写す事も可能です。他には開放での描写が甘い事、AF精度にバラ付きがある事、ストロボの調光が乱れやすい事等の欠点はありますが、大口径標準ズームにしてはかなりコンパクトで軽い事、決まった時の描写は良好な事、寄れる事、安い事等メリットも多数あるので、デメリットが気にならない方には一押しのレンズです。描写は好みが分かれますが、暖色傾向が強いレンズです。
  元々フルサイズ用レンズの為、この焦点距離がどうしても必要でない限りはAPS-C用の標準大口径を選ぶほうが良いでしょう。


(10段階評価。☆は1点、★は2点。)
□光学性能(解像力) ★★★★
□光学性能(ボケ) ★★★★☆
□機械性能 ★☆
□コストパフォーマンス ★★★★★
□総合点 ★★★★




[レンズスペック]
定価:¥57,750-(税込)
レンズ構成(群-枚):14-16
FXフォーマット画角(対角線):75°23'-32°11'
DXフォーマット画角(対角線):52°58'-21°4'
フォーカシング方式:IF
手ブレ補正機構:なし
レンズ内モーター:内蔵(非超音波モーター)
絞り羽枚数:7
最小絞り:32
最短撮影距離(m):ズーム全域0.33
最大撮影倍率(倍):1/3.9
重さ(g):510
最大径×長さ(mm):φ73×92
フィルターサイズ:67
キャップ:スプリング式
フード:DA09付属(花形バヨネットフード)
ケース:-

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