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◆AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED レビュー
作成日:2013.01.29  更新日:2015.06.28
105mm撮影例
撮影例はBody D90 焦点距離105mm、開放F2.8(実効F3.2)、SS1/100、ISO200、-1.7EV。水族館のアクリル越しで撮影。
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このレンズを使った他の撮影例はPicasaにアップしてありますので参考にどうぞ。
また、爬虫類や昆虫等閲覧者の好みに左右される物を多数含みますが、このレンズで撮影した写真には全てタグ付けしておりますので、それらに偏見のない方はこちらから。
※Google社はPicasaからGoogle+への機能移行を図っているようで、Picasaのタグ機能が正しく動作しなくなったようです。このレンズ固有の作例は追ってこのページに追加して行こうと考えております。


nowprinting (※この記事で使用しているボディはNikon D90/D7100/D750です。)
◇購入経緯◇
 たまおやが購入した10本目のレンズ。マクロレンズはこれまでボディ内モーターでAFするタイプしか持っていなかったため、フィールド撮影や生物に警戒されないようSWM搭載のマクロも欲しかったので購入に至りました。購入した当時タムロンの90mm VC USDの発売が近かったのですが、前モデル(272E)が蛇等の動く被写体に対して若干使いづらく手放していることを主な理由としてこちらをチョイスしました。(後にタムロン90mm VC USD model F004を購入することになるのですが、それはまた別のお話。)

◇使用用途◇
主に植物や小動物の撮影用で、じっくり腰をすえて撮影できない状況用にとSWM、VR搭載のこのレンズを選んでみました。他にシグマの70mm、ZoomMicroNikkorを所有していますが、それぞれ解像力重視でかつじっくり撮影できる場面用、フィールドで荷物を増やしたくない/目的が決まっていない時用と使い分ける予定です。

◇焦点距離◇
  APS-Cで使用した場合はフルサイズに換算すると157.5mmとなる中望遠〜望遠系マクロです。APS-Cで使うには少しばかり長く、タムロンの90mm同様、使う人次第では扱いにくく感じるかも知れません。APS-Cセンサーのカメラでは特に昆虫撮影等を手持ちで行う際に真価を発揮してくれます。

◇F値◇
開放F値はF2.8で、他の等倍マクロ同様に現在(2013/01/29)発売されているマクロとしては最もスタンダードなF値です。 焦点距離が105mmとやや長いため、背景を大きく溶かす描写を得意とします。
他のマクロレンズ同様に接写の際には露出倍数がかかり、実効F値はより暗くなります。

◇光学性能◇
 手持ちのマクロ域では手振れを起こし易いため「甘い」等と評価される事がありますが、三脚を立てたり高速シャッターを切ればかなりシャープな写りをします。開放〜F16辺りまでどこを使っても水準以上のシャープネスを見せると言っても良いと思います。

  一方でボケの方は、焦点距離が長い事から背景を大きく溶かすような描写がしやすい反面、玉ボケを作る際などにはラグビーボール型の口径食が出やすい事で有名です。APS-Cでも影響は大きいですが、特にフルサイズのカメラを使用する際には気を遣う必要があるでしょう。口径食は絞る事で解消されます。
 またもう一つの欠点として、ピントの浅い開放では特に軸上色収差の残存が多く見られ、ピント面の前後にあるハイライト(晴天下での水しぶきや金属光沢)にはいわゆるパープルフリンジやグリーンフリンジがかなり出やすいと言えます。こう言ったシーンの撮影において、対処法は絞り込むか、ボケや被写界震度を変えられない場合にはソフトウェアで後処理をするかのどちらかが必要となるケースが多いと思います。


撮影例はBody D90 焦点距離105mm、開放F2.8(実効F3.5)、SS1/1600、ISO200、±0.0EV。ピントのズレた失敗例。水しぶきにパープルフリンジが発生しているのがお分かり頂けるでしょうか。拡大はリンク先Google Photo参照。


 
◇接写性能◇
 最大撮影倍率1倍、最短撮影距離31.4cmと、ワーキングディスタンスをやや長めに取れるマクロレンズですので、近寄りづらい位置にある花や、近づくと逃げる虫などの撮影では扱いやすいです。他の等倍マクロ同様、高倍率撮影が楽しめます。

◇機械部分◇
 フルタイムマニュアルフォーカスが可能で、マクロ域でのピント調節を素早く行えるのが魅力的です。金属鏡筒なため冬場の屋外で持つとかなり冷たいです。
  大きさは同クラスのマクロレンズと比べると1回りも2回りも大きく重いので、腕力がない人が長時間撮影するにはかなり厳しいかもしれません。重量バランスや密度のせいか、このレンズより大きく重いはずのZoomMicroNikkorより重く感じてしまうほどです。
またインナーフォーカス方式ですので、シグマの70mm、タムロンの90mm(272E)のようにレンズ長が伸びて被写体にレンズ先端をぶつけてしまうなどと言う事もまずありません。フードも深めのものが付属します。

◇付加価値◇
 超音波モーターを搭載し、条件の良い場所ではAFが速く正確です。接写域ではさほど効果はありませんがVRも搭載しているため、ポートレート撮影や中〜大型の動物撮影を手持ちで行う際等には非常に助かります。

◇重量・大きさ◇
  先にも記載しましたが同クラスのレンズに比べると、とにかく太く重いです。中身がみっちり詰まっている感じがして、見た目以上に重く感じると思います。

◇価格◇
 古いレンズにも拘らず価格は相変わらず高止まりしており、よほどのマクロ好きでない限りは割高感を感じてしまうかもしれませんが、決まった時の描写を考えると十分お買い得とも言えます。

◇備考◇
 個人的な事ですが、スピーディーな手持ち撮影をするためのVR Micro 105mm、明るいフィールド等で何に出会っても対応OKなZoomMicro 70-180、被写体決めうちでじっくり腰を据えてのMACRO 70mmの使い分けが楽しいです。

◇総評◇
 SWM搭載、VR搭載と付加価値要素が大きく、重いでかいの2重苦を承知の上でも手持ちマクロ撮影に使い勝手が良いレンズです。重さが気にならない方には是非オススメしたいレンズ。


(10段階評価。☆は1点、★は2点。)
□光学性能(解像力) ★★★★★
□光学性能(ボケ) ★★★★
□機械性能 ★★★★
□コストパフォーマンス ★★★
□総合点 ★★★★☆



[レンズスペック]
定価: ¥124,950-(税込)
レンズ構成(群-枚): 12-14
FXフォーマット画角(対角線): 23°20'
DXフォーマット画角(対角線): 15°20'
フォーカシング方式: IF
手ブレ補正機構: VRII
レンズ内モーター: SWM
絞り羽枚数: 9(円形)
最小絞り:32
最短撮影距離(m): 0.314
最大撮影倍率(倍):1/1
重さ(g): 750
最大径×長さ(mm): φ83×116
フィルターサイズ: 62
キャップ:スプリング式
フード: HB-38花形フード付属(バヨネット)
ケース: CL-1020付属

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