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◆D90のピクチャーコントロール設定差異
作成日:2011.09.20  更新日:2013.02.04


この記事は現在編集中です。
特に旧機種の近似設定については設定した結果を示すのみに留まっていますが、随時追記していきます。


■始まり
 D90には仕上がりの画像の色味、コントラスト、明るさ等を調整するピクチャーコントロールと言う機能が備わっている。私は古い機種についての知識はないが、少なくともD70辺りからはピクチャーコントロールと言う物があったようだ。D90にはスタンダード、ニュートラル、ヴィヴィッド、風景、ポートレート、モノクロームの6つが標準で用意されているが、それ以外にもカスタム設定が登録可能で、カスタムピクチャーコントロールはカメラ内で設定する以外にも、SDカード経由で設定ファイルを取り込むこともできる。

■カスタムピクチャーコントロール
カスタムピクチャーコントロールの設定方法は説明書に載っている筈なのでここでは割愛して、各所で公開されている設定を試してみよう。

まずは、各所でピクチャーコントロール設定を求めてさまよっていた時にとあるブログで見つけた設定を紹介する。ゆる鉄先生こと、中井精也氏が書籍で紹介した(らしい?)設定を2つ試してみようと思う。
□HONOKA
 
左がD90のスタンダード、右が「HONOKA」だ。
見るからに彩度とコントラストが落ちているが、設定も「ニュートラル」をベースにして、コントラストと彩度をそれぞれ-3に設定するのみ。
元々コントラストの強い被写体や、明るい被写体を淡く優しい印象にしてくれそう。

□YURUTETSU
 
左が先ほどと同じでD90スタンダード。右が「YURUTETSU」
こちらは「HONOKA」に比べると少しだけ鮮やかで、明るい。
設定方法はこちらも「ニュートラル」をベースにして、コントラストと彩度はそれぞれ-2、明るさを+1に設定するだけだ。「HONOKA」よりは一般的な用途で扱いやすいと思う。


■フィルム再現設定
 私はデジタル世代なのでフィルム撮影は殆どした事はないが、フィルムの持つ独特なテイスト、階調の豊かさ、滑らかさには惹かれ、デジタルでなんとか再現できない物かと色々調整してみたり、ネットで配布されているピクチャーコントロールデータを参考に調整してみた。フィルム経験者の眼にはどう映るかわからないが、何かの参考になればと思い公開します。時間が許せば逐次追加していくかも。

□Kodak Ektachrome(コダック エクタクローム)
コダックのリバーサルフィルムエクタクロームを再現したピクチャーコントロール。
海外サイトで配布されていた設定をもとに微調整を施しました。

左がスタンダード。右がエクタクローム適用。
再現性はさておき、印象はがらりと変わる。

同じく左がスタンダード、右がエクタクローム適用。
コントラストが強まり、暗部が締まっているが、何も考えずに後処理で設定してしまうと暗い印象になってしまうかも?
ちなみに設定は以下のような感じ。
ご覧の通り、ニュートラルをベースにカスタムトーンカーブでコントラストを強めている。


■デフォルト設定/近似設定
 Nikonの公式にはピクチャーコントロール対応以前のカメラの仕上がり設定を再現するための近似値が公開されている。URL:http://www.nikon-image.com/event/special/pcs/other/approximation.htm
折角なので、この近似設定をD90に登録し、それぞれのピクチャーコントロールの違いを列挙してみようと思う。ViewNXやCaptureNXにはこれら以外にもD2XのMode1〜Mode3がデフォルトで選択可能となっているが、D90にこれらの設定を登録する事はできない。これらの設定についてはPC上でピクチャーコントロールを適用して出力してみた。(※本来なら背景がそれなりに写った人物写真を用意するべきだったかも知れないが、パッと公開できる写真が蝶の写真しかなかったのでご容赦下さい。)
設定例は、D90デフォルト、D40/D70近似設定、D2x/D100近似設定の順に列挙している。

□撮影例の基本設定
ボディ:D90
レンズ:ZoomMicroNikkor 70-180mm F4.5-5.6D
ISO:200固定、SS:1/160s、絞り:f/5.6、焦点距離:180mm、測光モード:スポット
ストロボ使用なし、手持ち撮影、アクティブDライティングオフ

●D90デフォルト設定
・D90 スタンダード

D90の標準設定。
(D90、ZoomMicroNikkor 70-180mm F4.5-5.6D ED
ISO:200固定、SS:1/160s、絞り:f/5.6、焦点距離:180mm、測光モード:スポット
ストロボ使用なし、手持ち撮影、アクティブDライティングオフ)


・D90 ニュートラル

スタンダードに比べると色が薄く大人しい印象。スタンダードで黒く見えた蝶の羽の模様も締まりに欠け、緑が強い印象だった葉も黄緑色に見える。
赤い花などスタンダードでは色飽和する時等に設定すると色飽和を緩和できるケースもあります。

左がスタンダード、右がニュートラル。このサイズでは分かり辛いが左は色飽和を起こしている。

・D90 ヴィヴィッド

ニュートラルとは逆にコントラストがかなり高く、輪郭強調も強いです。全体的に暗め。このサイズの画像ではわかりづらいですが輪郭強調がかなり強いので、D90の場合ISO200でもノイズが結構目立ちます。
華やかさ、シャープさが物足りない時の一押しに使うケースが多いでしょう。

左がスタンダード、右がヴィヴィッド。 後ボケに使った黄色いチューリップに出ている影がヴィヴィッドでは黄色に埋もれてわかりづらくなっている。また白い花弁のエッジも強調されている。

・D90 風景

一見ヴィヴィッドとの差がわかり辛いが、より一層濃厚な印象でより青が強く出ます。この写真で一番顕著なのは蝶の羽の紫色の部分でしょうか。
ただしヴィヴィッドとの差は殆どなく気付かない人は気付かないレベルの差しかない。

左上がヴィヴィッド。右上が風景。
左下はスタンダード。スタンダードに比べると色が濃く重たい印象。
ヴィヴィッドと風景の差は、風景の方が山や海の色が濃く更に重たい印象を与える。


・D90 ポートレート

スタンダードをベースに鮮やかにする所は鮮やかに、肌色系をまろやかな色味にしたような印象です。スタンダードよりは淡いが、ニュートラルよりは濃いと言ったバランスです。肌の影の部分の色が柔らかい肌色になりやすい。

・D90 モノクローム



●D40/D70 近似設定
・D40 スタンダード

D90のスタンダードに比べると暗めの印象。

・D40 ソフトに

ソフトと言うより暗めの低コントラスト。輪郭強調は低め。

・D40 鮮やかに

D90のヴィヴィッドよりやや暗めの設定で輪郭強調がかなり強め。したがってノイズも結構目立ちます。

・D40 より鮮やかに

D90のヴィヴィッドよりコントラストが強く、明るさも暗めの設定。かなり重厚に見える。

・D40 ポートレート

D40スタンダードに近いが少し暗めで色が薄め。D90のポートレートよりは黄色味が弱い印象も受けます。

・D70 シャープに

色味と明るさは抑え目だが、輪郭強調がかなり強く硬い印象。このサイズではわかりづらいが、等倍でみるとかなりノイズが目立つ。


●D2X 設定 / D2X 近似設定 / D100 近似設定
・D2X Mode1


・D2X Mode1 近似設定

近似設定と言いながらもこちらの方がやや色が濃く暗い印象。D2xのMode1再現は、更に色の濃さを落とした方が良いかもしれない。

・D100 Mode1 近似設定

D2X Mode1近似設定より色が濃い以外特に変わらない。

・D2X Mode2

Mode1に比べると少し落ち着きのある画。

・D2X Mode2 近似設定

こちらも近似設定と言う割には暗すぎる気がする。

・D100 Mode2 近似設定

こちらもMode1の時と同様、D2xより少し暗い以外に変わらない。

・D2X Mode3

心なしか青みが乗ったような独特の色味。鮮やかな部分は鮮やかで、メリハリがある。

・D2X Mode3 近似設定

Mode1,2近似設定の時と同様、とにかく暗い。まだD90ヴィヴィッドの方が近い気がする。

・D100 Mode3 近似設定

D2X Mode3近似設定と何が違うんだ?と思われた方、正解です。実はまったく設定が同じ。


ここまでつらつらと並べてきたが、ピクチャーコントロールを変えるだけでも写真の印象は大きく変わります。
それこそ別物と言っていい次元で変化をします。絵作りの面でレンズ並みに影響を及ぼすピクチャーコントロールですので、是非カスタムピクチャーコントロール(カスタムトーンカーブ)を使って好みの設定を探し出してみてください。




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