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◆レンズ解像力簡易テスト
作成日:2013.01.29  更新日:----.--.--
AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
SIGMA MACRO 70mm F2.8 EX DG (for Nikon)
・Ai AF Zoom Micro Nikkor 70-180mm f4.5-5.6D
・TAMRON SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (Model A09N II)
・AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR

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■はじまり
 先日MicroNikkor105mmを購入したのですが、手持ち撮影中心だった私にとって、SWM&VR搭載のこのレンズは余りにもお手軽で驚いておりました。「もしや、シグマの70mmはもうお役御免か…?」と言う言葉が頭を過ぎり、一体どの程度解像力に差があるのか試したくなった次第です。で、「この際だから所蔵しているレンズ全部試してみよう!」と言う事で、以下のテスト方法に基づき試してみました。DX55-300に限っては最短撮影距離が短いので、部屋の中でやるのはめんどくさい大変なため今回はパスしました。未記載のレンズに関してはデータは撮っているのですが、案外編集が大変なので後日追記します。未掲載分についての写真はPicasaにも掲載していますので、気になる方はこちらを参照して下さい。レンズ情報等はExifを残しておりますのでそれを参照にどうぞ。尚、16-85は撮影時MFで合わせていたら後ピンが酷い事になっていますので御注意を(笑)

■テスト方法
  テスト方法は至って単純(手抜き臭すらしますが)で、メインの被写体としてクレステッドゲッコー君のぬいぐるみ(尻尾の付け根までで約15cm程度)を据え、被写体から後方30cmの背景位置にファブリーズのボトル(背景に写る黄色いの)を設置して、どのレンズのテストでも”だいたい”同じ範囲が写るようフレーミングして解像力とボケ具合を見ました。ピント位置は基本的にクレステッドゲッコー君の目に合わせておりますが撮影によって若干かなりピントのばらつきがあります。撮影の際には三脚、リモートコード使用、露出ディレー、VRオフで撮影しています。絞り値は各レンズ毎に開放〜F16までを使用。テスト方法からお分かり頂けるように、厳密なテストではなく”かなりいい加減な”テストだと考えてください。なおこのテストに用いたボディはD90です。結論の一部を先にここで書く形となりますが、レンズ性能の差よりもボディ性能が頭打ちとなっています。


■AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

◇絞り開放(実効F3.2)◇


開放から布地が良く見えているように見えます。
見えにくいですが背景のボトル(黄色い部分)にできた玉ボケがレモン型になっているのがわかります。
目の部分を等倍切り抜きしてみると…

縦目の部分の糸が接着剤でぐちゃぐちゃ固められているのが見えますね(笑)
布地の糸が絡み合っているのがしっかり見て取れ、開放から優秀なのがわかります。

◇F4◇

開放から一段絞り込んでもまだ玉ボケが潰れているのが見て取れます。
相変わらずボケ方もなだらかで綺麗です。

等倍切り出しを見ると、開放では僅かに緩かった布地のループ部分がハッキリしています。

◇F5.6◇

よーく目を凝らしてみると、ほんの少しだけ解像力が上がった気がします。(気のせい?
F4まではレモン型に潰れていた玉ボケも丸みを帯びてきました。
ここまで絞ってもボケ方は自然で煩くない印象です。

被写界深度が深くなったのも勿論ありますが、F4までより更にはっきり写っています。

◇F8◇

F8。これまでと大きくイメージがかけ離れる事も無く、自然に被写界深度が深くなっています。
シャープさもF5.6と遜色のない印象でしょうか。

拡大してみてもループははっきり。糸くずの毛羽立ちがより目立つようになった気もします。

◇F11◇

玉ボケが小さくなり、複数重なっているため縦長のボケに見えますが、一つ一つの玉ボケを見ると綺麗な円になっている事がわかります。

Photozone等のテストを見るとF11ではF4以下に落ちるとの事ですが、すみません、僕には違いがわかりません。F5.6並みには解像しているように見えます。勿論被写界深度が深くなっているせいでそう見える、と言うのもあるのでしょうけれど。

◇F16◇

縮小画像では背景がよりわかりやすくなった、ボケが小さくなった以外これと言って変わった印象はないように見えます。

拡大してみると明らかにF11までより明らかに緩くなっているのはわかります。…と言っても開放と比べて大きく落ちるかと言われるとそんな事もなく、この程度ならAPS-Cの小絞りボケを気にせず表現の一つとして充分使える気がします。

☆まとめ☆
VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8Gは開放からF16までどこを使っても充分な解像力を持っており、表現に合わせて絞りをコントロールすると良いでしょう。一方でボケの大きさ形にも寄りますが、開放側で口径食が目立つのは欠点と言ってもいいかもしれません。


■SIGMA MACRO 70mm F2.8 EX DG (for Nikon)
◇絞り開放(実効F3.3)◇

MicroNikkor 105mmと比べると玉ボケが綺麗な円に近いです。
クレステッドゲッコー君の胴体部分など、アウトフォーカス部分のボケ方は充分に自然で柔らかい、と言える部類ですが、105mmに比べるとほんのわずかに硬いです。レンズの描写力と言うよりは焦点距離による影響と考える方が妥当ですが。

ピントが若干後方(特に目頭にあたる部分)に抜けてしまっていますが、開放からパキパキに解像しています。
意図した所に正確にピントを合わせる腕さえあれば様々な表現が出来そうです。

◇F4◇

ボケは相変わらず大きく美しいです…が、開放で撮ったものと比べると露出がズレています。
F4以降を確認して頂ければわかるのですが、F4で露出がずれたと言うよりは、開放が露出アンダーな傾向にあると言う方が正確でしょうか。

開放からピント位置を動かしていないので、相変わらず後ピンのままですが、シャープネスは際立っている印象です。105mmとの比較は好みで分けていいと思います。

◇F5.6◇

5.6まで絞ってもまだボケは大きくソフトです。被写体のアウトフォーカス部分にも硬さは出ず、自然なボケが続きます。

被写界深度が深くなり、F4までではピントが来ていなかった目の部分も(一部分ですが)ピントが合いました。
シャープネスはF4までより更に上がった印象です。バッキバキな感じですね。

◇F8◇

ボケが小さくなった以外、F5.6と比べても大きく変わった印象は受けません。
しかし拡大してみると…
お分かり頂けますでしょうか。F5.6までより更にシャープになった…かなぁ?と言う印象を受けます。F5.6にせよF8まで絞るにせよ、カミソリのようにキレキレなマクロと言われるのが良くわかります。

◇F11◇
縮小画像では大きな差がでないのはもう仕方のない事ですね。

おや、F8であんなにキレていたのに僅かにシャープネスが落ちている気がします。
気にしなければ気にならない程度ですが、目頭にあたる部分等を見比べると少し柔らかくなっている気がしませんか?

◇F16◇

縮小画像ではもう僕には差はわかりません(笑)
だったら載せるなとか言う無粋なツッコミはナシの方向で…。

目の右下の毛羽立ちとかを見ると、更にシャープネスが落ちた…(かなぁ?)と言った印象を抱きます。が、普通に使う分には充分にシャープでしょう。

☆まとめ☆
 105mmマクロ同様、開放〜F16までどこを取っても良く写るレンズです。ことシャープネスに限ればほんの僅かですが、こちらに軍配が上がる印象。ボケに関しては口径食が殆どない分明らかにこちらの方が優秀ですね。ただ、SWMやVRと言った付加価値を含めた総合力で考えると良い勝負かもしれません。表現が違うレンズなので使い分けができると楽しそうです。(僕はまだその領域に到達していませんが(笑)
 最終的に出力するサイズや使用するカメラ次第ですが、基本的にこのクラスになるともうレンズの差よりもピント、手振れ被写体ブレ等、シャープネスを低下させる要素の排除の方が優先事項になってきて、どちらがより優れているとか言う次元にないのかもしれません。またD90クラスのボディではレンズ性能より先にボディ性能が頭打ちとなるため、レンズの違いを大きく感じられないと言う点も挙げられるかもしれません。





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