現在位置:index / J1 + FT1 + 等倍マクロ
◆Nikon1 J1 + FT1 + 等倍マクロ
作成日:2012.05.17  更新日:----.--.--
(※このページはアフィリエイトリンクを含みます)



nowprinting  ニコン レンズ交換式アドバンストカメラ「Nikon 1」はセンサーサイズが小さく、フルサイズ機やAPS-C機で撮影した画像の中央部を切り出し鮮鋭化したような写真を撮る事ができます。マウントアダプターFT1(以下FT1)と等倍マクロレンズを使った撮影でも同様の効果が期待でき、より拡大したかのような写真を撮影する事ができます。

◇注意事項◇
 マウントアダプターのレビューページでも書いた内容ですが、FT1使用の際には様々な制約がかかる事をまず説明しておこうかと思います。数々の欠点があるのですが、まずNikon1の売りの一つである「スマートフォトセレクター」が使用できなくなる事があります。他にもA(絞り優先オート)、S(シャッター優先オート)を使用した際、P(専用プログラムオート)よりピントが甘くなる事があるそうです。それ以外にもFT1使用時はAFエリアが中央のみ、AF-Sでの撮影に限られる事も御注意頂きたく思います。その他数多くの制約があるが、それらは公式サイトでも確認頂けたらと。またファームウェアのバージョンアップも必須となります。

◇レンズの等倍域での撮影◇
 以前海野和男(大先生)式前玉外しレンズを紹介しましたが、そちらでの撮影例を交えて書いて行こうと思います。なお、今回J1+FT1に装着したレンズはSIGMAの70mmF2.8 EX DG MACRO(以下70マクロ)ですが、本来ならNikkorの40mmF2.8Gや60mmF2.8G、105mmF2.8G等の純正Gタイプ等倍マクロレンズを使えば制約付き(前述)ではあるものの、AFが使用可能になり撮影のし易さが大きく変わると思います。
脱線しましたので本筋に戻して、まずは今回使う被写体の大きさがわかる写真から。

ペンとの比較でおおよそのサイズがお分かりいただけるでしょうか。ガチャガチャのニホンヤモリストラップが今回の被写体です。

↓これをNikon D90(APS-Cセンサー) + 70マクロの等倍域で撮影するとこんな感じになります。
D90+シグマ70での等倍
(D90 + 70マクロ、ISO200、F22、1/60s、ストロボ使用)

これでも充分大きいのですが、海野和男式改造レンズでは更に大きく写す事が可能で、最大限に寄った場合は以下の写真のようになります。
D90+改造マクロ
(D90 + 改造マクロ、ISO200、F22、1/60s、ストロボ併用)

この写真でF22まで絞っており、被写界深度が相当薄い事がお分かりいただけるかと思います。またMF専用となる為ピント合わせがかなりシビアで昆虫撮影などには熟練を要します。もう少し手軽にならないのかと考えた結果がNikon1 + FT1 + 等倍マクロです。クドクド言ってないで同じ被写体を撮影したものを御覧頂きましょう。

(J1+FT1+70マクロ、ISO100、F5.6、1s、簡易三脚併用)
D90+改造マクロに比べて被写界深度がかなり浅いですが、絞りをF5.6まで開いている為です。それよりも改造マクロで撮影した物と比べ、被写体の大きさが改造マクロに比べ遜色なく大きく写っていますね。

改造マクロの記事ではテレコンを併用して倍率Upも計りました。折角ですからテレコン併用も比較しておきましょう。まずはD90+テレコン(KenkoMC7、2倍テレコン、以下MC7) + 改造マクロ。

(D90 + MC7 + 改造マクロ、ISO200、F22、1/60s、ストロボ併用)

ここまで寄れると、小型の虫でも大きく撮れます。次はJ1 + FT1 + MC7 + 70マクロでの撮影例です。

(J1 + FT1 + MC7 + 70マクロ、ISO100、絞り開放(実効F4.5)、1/60s、ストロボ併用)
相変わらずボケ量が大きいのはF値の差ですが、被写体の大きさは改造マクロの場合と比べてほぼ同様と言っていいと思います。解像的にも実用的なレベルではないでしょうか。

◇取り回しのメリット・デメリット◇
 実際撮影したデータを先に紹介しましたが、取り回しでは大きな差があります。まず、改造マクロを使った撮影でのデメリットは、クローズアップレンズと同様で被写体から数cmの所でしかピントが合いません。更にMF専用である事、ワーキングディスタンスが短すぎる事からストロボの併用が必須である事があります。メリットは、APS-Cボディを使う場合、より解像するセンサーのボディを選べる事にあります。
一方で、Nikon1+FT1+等倍マクロを使うメリットは、ピントの範囲に制約がない事(等倍撮影も遠景も可)、AF-Sレンズ(SWM搭載のレンズ)を使う限りは制限付きながらもAFが使用できる事にあります。ただしテレコンを使う場合と、最短撮影距離付近の場合は環境次第でMF、ストロボ併用必須となる事はあります。こちら側のデメリットは光量不足を補う時のアクセサリ類の少なさでしょうか。

◇焦点距離◇
 先のシグマ 70mm F2.8 EX DG MACROを使った場合は、2.7倍の35mm判換算189mmF2.8(MF)となります。40mmF2.8Gの場合は108mmF2.8(AF)、60mmF2.8Gの場合は162mmF2.8(AF)、105mmF2.8Gの場合は283.5mmF2.8(AF)となります。純正AF-Sレンズを使う限りは中望遠〜望遠のオートフォーカスレンズとして使用可能です。

◇総評◇
 カメラボディを含めたコストではAPS-Cカメラ+改造マクロの場合とあまり変わりはないのですが、流通量を考えた場合、入手難易度、AF使用可否、コンパクトさを考えると充分に選択肢に入るシステムだと思います。またメインに一眼レフと等倍マクロを既に所有している場合は比較的少ない投資でシステムを構築できるのがメリットではないでしょうか。





このページの先頭に戻る


TopPageへ戻る