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◆熊本旅行記 (大観峰・鍋ヶ滝編)
作成日:2013.08.28 更新日:2013.08.28 


   

 前回中岳火口を出たのが10時半頃だっただろうか。この頃から阿蘇地方は雨雲に覆われ始めていた。
(tenki.jpの過去天気より)
見事に阿蘇地方だけ雨が降っている。雨雲レーダーだけで見ると降雨量は5mm/h以下なのだが、この程度の雨でも標高800mでは視界が殆どなくなる。
阿蘇中岳火口をあとにし、草千里・米塚を通るも、どちらも大雨で視界がゼロ。残念ながら阿蘇山の見所の大きな二つを飛ばす形となってしまった。

阿蘇を降りる際に「風の丘」に立ち寄るも、視界はあまり晴れない。

本来天気がいいと、ここから有明海まで見渡せるそうだ。
地図を見てみると…

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阿蘇山の西は窪んでおり、阿蘇の外輪山が逆Cの字型になっているのがお分かり頂けるだろうか?
これはその昔カルデラに溜まった水が流れ出た際に削れたそうで、ちょうどここから偏西風が阿蘇に向けて吹きあげてくる形になるらしい。ついでに言うと偏西風に乗った雨雲もここを通り抜け、阿蘇にぶつかり停滞する事が多いそうだ。

 とりあえず阿蘇からは雨で何も見えんしと言う事で、ちょっと早めに一旦どこかで昼食を…と言う流れになったのだが、阿蘇でウマイ物は?と尋ねると、「蕎麦・野菜・赤牛」との答え。阿蘇で蕎麦?と思われるかも知れないが、阿蘇には豊富な水源があり水が綺麗である。水が綺麗=蕎麦となるのも割と自然な流れとも言える。…のだが、お連れ様が蕎麦アレルギー。となると野菜か赤牛か。
暫し悩んでいると「豆腐御膳や赤牛ステーキ丼もおすすめ」と大野さん。

赤牛ステーキ丼…と言うと、情報誌で見た”いまきん食堂”の赤牛丼食いたいなぁ…。

と思っていたのだが、あえて口には出さず。
お連れ様と、「どっちもいいよねぇ、悩むなぁ」的な事を言っていると、「赤牛丼の店は混むんですよ。時間も早いし天気も悪いし見てみますか。」と大野さん。
まぁタクシー貸し切ってる訳だし、通るだけならタダっつー事でとりあえず寄って貰う事にした。
何分か走っていると、割とすぐに到着。



どどーん。




!!!!!!!!!!!!!!!
行きたかった”いまきん食堂”ではないか!


せっかくなので大野さんも昼食御一緒にと思ったのだが、生憎弁当御持参とのこと。事前に言っておけばと少々後悔しつつ、3組待ちなので待つ事に。
さて隣の姉妹店でも覗いて暇潰すか、と思ったが大して待つ事もなくすぐお声がかかったので店に入る。
席に座るや否や、メニューすら見ずにあか牛丼を頼んだ。


お茶をすすりながら待っていると・・・

運ばれてきましたあか牛丼。

わさびと特製味噌が添えられている。
どちらで食べてもウマイし、混ぜてもウマイ。卵もそのまま食ってもいいし、混ぜてしまってもいい。
あか牛は脂身が少なく、肉本来の旨みが堪能できる上品な味わいで、これはやみつきになる味だ。
味噌汁と漬物がついて1200円。
ちなみにこのいまきん食堂のある場所は車以外で行くと非常に大変。遠方からの旅行でふらっと立ち寄るのはなかなか厳しい場所かも知れない。今の所車かタクシーぐらいしか手段はないのではなかろうか。

 さて、満腹になった所で店を出ると、もう、人・人・人の行列です。
車を回してくれた大野さんも思わず「うわ、物凄い人やな…」とつぶやくほど。
草千里や米塚は見る事が出来なかったけれど、雨のおかげで行列になる前の店に入れてラッキーだったとも思えてくる。

で、タクシーに乗り込み午後からどうしようか、と相談。
午前中の天候があまりにもひどかったせいか、大野さんから3つの提案が。

@午後は近場でさらっと終わって、契約より割安にしておいて、翌日再び割安料金で残った場所に行く
A午後から本来の予約の料金のまま高千穂へ行く(内牧〜高千穂〜熊本市街と考えると150kmぐらい)
Bこのまま予定を変えずに進行する

草千里、米塚と言った大きな見所をスキップしてしまったのを見かねての提案だったのだろうけれど、正直言って@、Aだと大野さん負担があまりにも大き過ぎると感じたので、欲張らず予定を変えずに大観峰を目指すルートを選んだ。幸い天候もギリギリ持ちそうな感じである。

車は一路、大観峰を目指す…って程もなくすぐに山を登り始めた。
そう言えば中岳火口を降りてからのルートを書いていなかった。

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大観峰は阿蘇の北外輪山に位置する山で、阿蘇地方を一望できる。いまきん食堂を出てからはあっという間の到着だが、公共交通機関で来るとそうはいかない。って言うか大観峰に車以外で来る手段があるのか?

その大観峰、阿蘇を語るには大観峰に登らずしては語れない、と言う人がいるのも一理ある気がする。

大観峰からの景色は、360°どこを見渡しても続く山々。
本当にどこを見ても、緑・緑・緑…なのだ。

↑大観峰から菊池方面を望む


↑こちらは反対側の宮地方面


↑大観峰の足元、阿蘇〜内牧方面


↑こちらは恐らく赤水方面。割と雰囲気良く撮れたので結構気に入っている一枚である。


曇天でもかなり気持ちの良い場所だったので、これが晴天だと相当気持ちいいのだろう。

さてそんな大観峰から阿蘇山へ目をやると…

やはり山頂には重い雲が。さっきまであそこにいたのかと思うとげんなりしてしまう(笑)
山の手前に見える白い幕のようなものは当然雨だ。
幸い雨の降っている方角は風下なのでこちらに雨が流れて来る事はない。

…と思いながら風上に目をやると…




更に酷かった。


雨に追いつかれないように急ぎタクシーへと戻る一行。
走っている途中で大野さんが「ああ言うのは画にならんとですか。」と。
大野さんが指差す方向を見ると、水蒸気の塊が大観峰に沿ってふよふよ漂っていた。



阿蘇の事を良く知っておられるだけあって、色々な物を見つけるなぁと感心しつつ、 迫り来る雨から逃げつつ、急ぎシャッターを切る。おかげさまでなんだか趣ある写真が撮れた気がする。

雨から逃げるようにしてタクシーに乗り込み、次の目的地へと向かう。
この日は終始雨に追われ、蒸し暑く、体力の消耗が激しい。

残る目的地は菊池渓谷と鍋ヶ滝。
距離的に圧倒的に近いのは菊池渓谷だが、あまりにも雨が酷いと濁流と化すそうで、そう言った意味では多少の雨でも影響の少ない鍋ヶ滝の状態を見てから菊池渓谷に回ろうと言う事になった。
大観峰から鍋ヶ滝まではまた20km程ある。

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車で行くと滝の駐車場まで行けるのだが、地元のバスツアーなんかは387号線から先の道には入れないそうで、387号線から先の約1.5kmをゾロゾロ歩いている光景がよく見られるらしい。しみじみタクシーで良かったと思っている内に、なんだかんだで滝到着。

「鍋ヶ滝」で調べると「結構大きな滝なのかな」と思える写真ばかりだが、近づいてみると案外小ぢんまりした滝だ。まぁ小ぢんまりしている、って言っても滝は滝、写真に撮るとそれなりのスケールに見えてくる。


(D7100+DX16-85mm+ND4、16mm(24mm相当)、f/11、1/3s、ISO100、三脚使用)
普通に撮っても糸を引いたような写真にはならないので、ND4以上のNDフィルタと三脚の使用を推奨。
ただまぁそれなりに狭い滝で、天気も悪いのに人がそれなりにいるので、のんびり鑑賞するのには不向きな上に、熊本市街から公共交通機関を利用するとなると1日がかりなので、ちょっと難あり感。あんまりじっくり三脚立てて撮影していても目の前ガンガンに横切られたり、三脚立ててるすぐ横を結構人が動くので、可能な限り手早くセットアップして手早く撮影しないと上手く撮れない気がします。

ちなみにこの滝、裏見の滝とも言われるそうで、滝の裏側に入る事が出来ます。

まぁ裏にはいった所で撮影してる人が高確率で写るので、正面から以上に撮影難易度は高いのかな。
撮影しないにしても、あんまり長時間裏にいたら撮影してる人に怒られそうで…。

とりあえず。滝つぼの様子を見るに、水もそんなに濁っている気配はない。
最後の締めに菊池渓谷に向かうか、と言う事でこの日最後のポイント、菊池渓谷へ向かうのでした。

それではまた次回、菊池渓谷〜夕食編で。



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