ブラックか、テキサスか

2020.04.20追記
 未だに5年も前のこの記事に辿り着いてい下さっている方々が多いようなのですが、すみません、この記事はだいぶ古い内容で、ブラックラットの分類が整理される前の話です。また我が家では私の配偶者がブラックラットを殖やしているので、私はそれを横目に見ながら思いを馳せているに過ぎません。最新の情報はもっと整理されているはずなので、最新の分類やモルフが知りたい方にはすっ飛ばして他を当られる事をお勧めします。なお、私は最新情報を追えていませんので具体的にどこを当ればいいよとも言えない事を重ねてお詫び申し上げます。

この記事はまだ情報が整理される前の状態で、身近に飼育者がいるとはいえ、飼育してない私個人が勝手に色々思いを馳せた内容と言う事でご理解いただきたく思います。今更5年も前の記事に手を加えると言うのも変な話なので、現時点でこれはこれとして残しておくつもりでいる事もご了承ください。


うちでは配偶者の管轄下でブラックラットが十数匹います。

僕個人的にずーっと気になってはいたものの、特に調べずにいた事柄が一つあって、それは、「本当にこいつらはブラックラットスネークなのか。」と言う事です。
いや、ブラックラットとして売られていたのだからブラックラットで良いでしょとも思えるのですが、少しだけ気になって。

と言うのも、うち産まれの子蛇達はアルビノ×リューシをかけたダブルヘテロのノーマル群です。
ご存知アメリカンラットスネークには基亜種をブラックラットとする5亜種おりまして、エバーグレーズ、グレー、イエロー、テキサスといる訳です。
勿論亜種間にあるので基本的には遺伝子構造が近く、交雑もするはずです。

国内の爬虫類で言えば、同じく5亜種(今ではオビが独立して4亜種)いるクロイワトカゲモドキグループの例を見ればわかるように、南部クロイワとマダラが遺伝的に近く、北部クロイワとはかなりかけ離れている事がわかっています。
同様に考えてアメリカ産コモンラットスネークも、生息地域が陸続きであるからには近隣エリアでは交雑種であったり、遺伝子的に近い種が生息していたりするのではないか、と言う推測ができます。

現にブラックラットスネークのエリュシリスティックなんかはエバーグレイズのような赤さに、ハシゴ状のブロッチが入ると言う両者の特徴が表れたかのような品種も存在します。
念のために書いておきますが、エリュシリスティックが交雑種だ、と言っているのではなく、近い遺伝子系統を持っている「可能性があるのでは?」と言う事です。
根拠やなんやらがある話ではなく、単に僕が知らないので、そういう可能性もあるんじゃないか、と思いをはせた結果な話です。

さて…話を元に戻しまして、うちの子蛇達。
先ほども書いた通り、全てノーマル群です。
ですが、かなり(表現型…と言う程ではないにしても)ビジュアルに差が出てきました。
それこそ産まれた当初は殆ど同じであったのですが…

https://picasaweb.google.com/115537487755452117699/_#5740124858964905938

(※3年前ハッチした当初の蛇ダンゴ状態。細かい模様で個体は識別できるものの、色柄は基本的にそっくり)

 それが産まれて3年経って、おおよそ3~4系統の色味で分かれて来た感じがあります。
具体的にどういうことだ、と言うと…
まず最初に2,4,7号

https://picasaweb.google.com/115537487755452117699/2#5968369348177985634

https://picasaweb.google.com/115537487755452117699/4#6098610175116883298

https://picasaweb.google.com/115537487755452117699/7#6073693353664044626

 どれも半年~1年程度前の写真ですが、基本的にこいつらの成長傾向としては、黄土色×濃グレーの2色構成です。
濃グレーと言っても次第にその部分は黒化して行っており、だんだんブラックラットらしさが出てきています。
ただ、この時点の配色で言えば黄土色×濃グレーと言うまさにこの色は、テキサスラットスネークのノーマル種の配色そのものです。
どの個体にも共通しているのは、黄土色部分が次第に褪色して行っており、濃グレー部分はどんどん面積を広げ、黒化して行っています。
これはテキサスラットにはあまり見られない傾向なので、ブラックラットとして正しいのかな…とは思うのですが…
ブラックラットのノーマル(ウエストバージニア産のような真っ黒以外のいわゆるノーマル)の成長段階の色味をよく知らないので、これが正しい色味なのかどうなのかと言われると現状判断がつかないトコロです。

もう一方でうちのマジョリティカラーである1,5,6号。

https://picasaweb.google.com/115537487755452117699/1#6073692148996857394

https://picasaweb.google.com/115537487755452117699/5#6073692713981556146

https://picasaweb.google.com/115537487755452117699/6#5985383751970450514

 こちらは2,4,7号とは違い、赤茶×濃グレーの2色。
この配色もテキサスラットスネークのノーマルアダルトとしては比較的良く見られる配色ですが、ブラックラットのノーマルにも比較的良く見られる配色でもあります。
しかし6号が次第に黒化し、黒ボディに赤みのかかった橙のラインが入ると言う、ブラックラットノーマルアダルトには稀に見られる配色になってきています。

そして最後に3号。

https://picasaweb.google.com/115537487755452117699/3#6059614768962761874

 濃グレーにサーモンピンクが混ざったような、なんとも綺麗なのか汚いのかよくわからない色味になってきています。
この配色はどうやらブラックラットにも、テキサスラットにも稀に見られる色彩のようで、ノーマルと言えばノーマルなんだけど…うーん…と言う感じになって行っています。

さて、うちの奴らは
①亜種間交雑 のようなタイプ
②国産ゴニに見られるような遺伝的な偏り
③ヤマカガシのような地域固有のタイプが混ざった
④ブラックラットの成長過程としては正常
⑤あるいはそれ以外

一体どれなんでしょうか。
果てしなく気になる問題ではあるのですが、国産ゴニやヤマカガシ、シマヘビの問題なんかを見ていると、コモンラットスネークであるブラックラットについてそれほど突き詰めて研究している人がどれほどいるのか、と言うのは非常に興味のあるところです。
世の中には(知られていないだけで)うちの奴らのような個体群は多いと思っているのですが、どうなのかなあ。
単に「綺麗じゃないブラックラット」として扱われていたりして…w

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