よく生物系の出版物に写真を載せている人が、「画質よりも何を伝えるのかの方が重要」と言っているのを見かけるが、否定はしないと言うか、概ね同意する。機材スペックで語るよりコンテンツで語る方がよっぽど説得力がある。のだが、同じシチュエーションでより高画質で撮影できるならば話は別。そう言う場合ならより画質を上げた方が良いに決まっている。表現としてユルく描写するとかそう言うのはまた別ね。
紙媒体メインの場合一定のサイズにダウンする時点で高解像は要らないと言う考えもわからなくはないが、その辺りはとある風景写真家の先生界隈の写真を見れば考えも変わる。出力サイズ・出力媒体に合わせて用紙からインクから印刷方法、鑑賞環境まで事細かに写真を一枚一枚丁寧に最適化して行った妥協なきモノを見せられてしまうと、自分もああ言う風に撮りたい、画質面では手を抜きたくない、と考えてしまう。やっぱ縮小されてわかりづらくても低画質は低画質だし、出来る事をしないのは手抜きと言われても言い返せない。

ちなみに上のトノサマガエルの写真も一度GoogleフォトにUpされた物なのでかなり圧縮がかかっているのだが、縮小状態でもそこそこ見られる物にはなっているのではないか、と思うがどうだろうか。僕的にはまるでそこにいるかのような、触れそうな、そして夜道で見つけた時のファーストコンタクトの臨場感みたいな物を込めたつもり。圧縮された写真と言えど、拡大で見て貰えると嬉しい。
機材的な面の話では、この写真を撮った位からようやく新しいカメラのクセに慣れてきたかも知れない、と言う感じ。なんとなく手応え的なのを感じるようにはなってきたが、もう少し場数で慣れねば…と言ったところ。でももうすぐ良いシーズン終っちゃうよなあ…(笑)
そろそろライティングもテコ入れしたいし、機材の持ち運びも検討し直したいし。

ライティングはと言うと、正直両生類爬虫類用は今の所どうこう出来るビジョンが全く無い。センサーとレンズの位置関係を変えるような光学系でも用意しない限り、物理現象の壁に阻まれて、キャッチライトと立体感の両立は不可能だ。しかし蛾のような被写体の場合はまだまだやりようはあるので、割と虫に注力している今なら2灯3灯ライティングに手を出して行ってもいいかも?
今持っているライティング機材はSB-700 x1、SB-400 x1、Viltrox JY610II x2とGODOX X1T、X1Rなので、その気になれば一応4灯までは可能だ。可能なのだが正直言ってJY610IIは光量コントロールがめんどくさい。安くてとりあえず光ると言うだけでも一応価値はあるのだが、1/128で発光してディフューザーを通しても直進性の強い光と言う印象が否めない。SB-400はと言うと秋に導入予定の新レンズでのライティングに使うつもりで残しているが、そう言う用途を除いた場合X1Rがあるとは言え、リモート発光するような環境では使い辛い。そして何よりSS1/200までしか対応していないので高速シャッターを切りたい時には不便。と言う訳で何かフラッシュ追加したい所…。折角X1TがあるのだからGODOXのフラッシュを追加するのが無難な気もするがなんかしっくりこないんだよなあ…(笑)

自分は欲しい絵面のイメージを先に固めて、機材はその実現に必要な道具を揃えるスタイルなので、爬虫類の時と違って虫の場合「こう言うライティングが欲しい」と言うビジョンがまだ自分の中で完成していないからなのだろうけれども。

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