飼育に対する考え方

[pe2-image src=”http://lh3.googleusercontent.com/-diAzrDvWnxQ/Vhu8nPa2pXI/AAAAAAAAk_o/aZw5yVDygTo/s144-c-o/DSC_4245.jpg” href=”https://picasaweb.google.com/115537487755452117699/TlrJbG#6204760293973075314″ caption=”” type=”image” alt=”DSC_4245.jpg” ]

少し前にニシアフの生息地に実際に行って肌で感じて来たいものだ、と言う趣旨の記事を書きました。
http://blackcat.main.jp/tama/?p=581

うちのサイトは元より「うちのニシアフ達にいかに快適に生活して貰うか」をコンセプトとしてアレコレ調べ、勉強し、考え、まとめています。
そう言った意味で前述の記事は、うちの奴らに快適な生活を送って貰う環境を用意するためには「現地の環境の想像はおおいに参考になるけれど、実際の生息地(の環境)が分からない限りは推測の域を出ないから参考にしかならない」と言うのが本来の趣旨です。
だからこそGoniurosaurus属も例に挙げ、市街地とやんばるではそもそも根本的に気温や湿度が違う、と触れている訳です。

実際私の住んでいる地域でさえ、真夏の30度、湿度60%程度の時期に山に入ると、沢の近くなんかは気温22度、湿度90%以上ととまるっきり環境が違います。
だから生息地である国の気候は参考にはできるけれど、実際のピンポイントな生息地の環境の情報で補正しない限り、全くアテにならないどころか不向きな環境を用意する事になる訳です。
ですので、現地を知らない以上は生体が何を好むのかは網羅的にパターンを用意して、実際に生き物に選んでもらう形を取る以外現状ありません。
その手法については企業秘密と言うか、自分がアレコレやってきたノウハウなのでここでは触れませんが、生き物が実際に選ぶ環境や温度域、湿度域と、生息国の気象データには乖離が見られます。
しかしながら生き物は楽な方楽な方へと行く習性がありますから実環境との乖離がある以上、生き物自身が選ぶ環境こそベストとは断言できませんし、また生息国の気象データが、即ちイコール生息地の環境データとも断言できません。
不確定要素を幾つか含んでいる訳です。

また仮に現地へ行って数日間環境データの採取をしたとしても、それは長いスパンの中のほんの断片に過ぎません。
飼育とは、生息環境を切り取り、再現する事だと考えていますが、実際現地の生息環境でもない限り、必ずどこかに推測や経験と言った不安定な要素が入って来る訳です。

ですからこのサイトに書かれている飼育方法であったり、データだったりと言う物は、基本的に「僕の家で行われたデータ採集に基づいたデータ」であり、日本全国一般に適用できるかと言われるとどうなんだろう?と言う部分が大いにあります。
ですので、「ご自身の環境や個体の好みに合わせて下さい」なんて言う文言が多く書いてある訳です。
この辺は僕が長い間SEをやっていたから故にこんな考え方に至る訳ですが、要約するとデータだけ持って行っても意味がないよ、と言いたいわけです。
あくまで参考程度に留め、各個人の家庭環境に合わせて補正して行くと言う使い方はして頂けるかと思いますが、趣旨を取り違えたまま内容のコピー、拡散は誤った情報を蔓延させるだけなので絶対におやめ下さい。

ただこのまま終わっても面白くもなんともないので、ここで現在僕が思っている(感じている)これまでの飼育情報とのギャップを一つ提示しておこうかなと。
「ニシアフリカトカゲモドキは多湿系の生き物」とされているが、実際はそこまで多湿を好むのか?と言う事です。
これは先ほど触れたデータ採取の結果から、あくまで「経験的に」感じている事なのですが、「ウェットシェルターのような湿気た巣穴さえあれば脱皮には特に影響がないのではないか」と言う事と、「ウェットシェルター以外に快適な巣穴があるのであれば、わざわざ湿った巣穴を選ぶケースは少ないのではないか」と言う事が感じられています。
実際の生息地は見た事がありませんが、「湿気の多い地域に生息している」→そのため多湿系として扱われる。が、実際は巣穴は乾いている(あるいはその逆)…と言った可能性はないのか?と言う疑問が僕の中で生じている訳です。
何故なら数年に及ぶ観測の中で、比較的乾燥気味の場所を自ら選ぶ個体がとても多いからです。

この辺はさすがに確認するにしても難易度が高いですから、そうそう確認はできないんですけれども、実際そう言われていると言われても自分の目で確認しないと気が済まないと言うか。
やっぱり長年SEやってきた職業病と言いますか、確実に証明されている物以外はなんでも疑い深くなってしまっていけない気がします(笑)

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