TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (F004)レビュー


(D750  f/5.6、ss1/125、90 mm、ISO 400)

最近使用機材について聞かれる事が増えて来ました。
写真を趣味でやっている身としては、「あれどうやって撮ったの?」とか「どんな機材でどう撮ってるの?」等と聞かれるのは少し嬉しいと言うか誇らしいと言うか(笑)
本家サイトの方でも長らく撮影機材レビューを更新していなかったんですが、これから時々ブログの方に機材レビューを織り交ぜて行こうかなーと思っています。 どうぞよしなに。

さて、久方ぶりの機材レビュー一発目はタムキューの愛称で知られたタムロン 90mm。 このレンズは度々更新を重ねるのでややこしいですが、最新のTAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (F017)ではなく、そのひとつ前、TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (F004)についてレビューしようと思います。 もちろん、F017も光学系自体はF004から何も変わっていないので、描写面では参考にして頂けるかなと思います。違いは後述。

各方面でレビューされ尽くされた感があるこのレンズですが、世間一般の評価としては
・解像力は充分高い
・ボケは旧モデル(272E)に比べてやや硬い
と言う評価が殆どだと思います。 僕が使った感想も概ねこの通りですが、僕なりの意見をちょろちょろと。

まずは解像力について。
これは正直言って、この記事執筆時点のNikon F マウントで使用可能な現行マクロレンズにおいてはトップレベルの解像力だと思います。 DxOやPhotozoneなどのレンズ評価サイトのデータを見てもわかりますが、実写でも他のマクロレンズと比べて頭一つ抜けている印象を受けます。
少なくとも僕はMicro Nikkor 60mm f/2.8G、Micro Nikkor 105mm f/2.8G、SIGMA 70mm F2.8 MACRO等をフィールドでかなり使い込んできましたが、このどれよりも解像力は高いと感じています。 カミソリマクロの異名を持ち、解像力にパラメータを全振りした印象のあるSIGMA 70mmでさえ、このレンズと比べるとそんなに飛び抜けて解像するか?と言う感じです。
それ程に設計された時代の差は大きいのかなと。 まあ僕がフィールド屋なので、条件の悪い環境では微ブレが気になる70mmマクロと、一応気休めとは言えVCが付いているレンズでは同等に比較できないと言うのもありますが。 AF精度やAF速度、手ぶれ補正の効きを考えると、古い描写を楽しむ以外で105マクロ等のライバルを選ぶ必要は全くないかなと言う感じです。

で、気になるボケの方ですが、確かに煩雑な茂みの中等を撮影すると、ボケが煩いような気がする事が極稀にあります。 ・・・ありますが、ぶっちゃけそう言う状況では旧モデル使ったところで煩雑な印象が変わる訳ではありません。 要するに背景選びでミスっているだけなケースが殆どだと思うので、頻出する問題ではないと思います。 旧モデルがとろけるようなボケと評される事が多いですが、その分、解像力は大きく下がります。ボケを重視するか解像を重視するかと言った感じですね。それでも総合力で見れば断然こちらの方が上だと個人的には感じてしまいますが。
ボケの作例についてはやや絞って撮ったモノをこの記事の最期の方に載せておきます。(被写体が蛇なので、苦手な方はご注意。)
記事トップの写真を見て頂ければわかるように、充分に近接すれば溶けるような背景になります。

その他の性能について
AF精度はかなり良好な印象。 僕の買った個体が当たりだったのかどうかはわかりませんが、マクロ域でもMFを使う事は全くと言って良い程なく、大抵AFで済んでしまっています。
AF速度もめちゃくちゃ速い…なんて事はないですが、充分なスピードです。逃げ惑う蛇なんかを追いかけていても外す事はそんなにありません。ただしAFの初動がやたら遅い事がたまにあるので、それは欠点でしょうか。
手振れ補正はおまけ程度と言うか、ポートレート等、普通に中望遠として使わない限りは気にするだけ無駄でしょう。
どうしても、と言うならより新しいF017がシフトぶれにも対応していますが、マクロ域での手振れ補正はお守り程度の認識で良いと思います。

じゃあ欠点なしの完全無欠かと言われるとそんな事もない気はします。 正直な所、過酷な環境にはめちゃくちゃ弱いです。
これはこのレンズに限った話ではなくタムロンレンズ全般ですが、シビアな状況に持ち出すと仕事しない事が多いです。
旧モデルの壊れやすさはかなり酷かったのですが、このレンズも豪雨の中や、梅雨時の湿度90%を超えるような山中においては時々AFが作動しなくなります。
この辺Nikkorの105mmや60mmは台風だろうが何だろうが撮影できなくなった事がないので、これらと比較すると弱い印象を受けます。 まぁ使っても小雨程度だったり、そもそも過酷な環境で使わない方には関係ないお話ですが。

総合すると、Nikon Fマウントで中望遠マクロレンズが欲しいなら「買い」です。 ライバルが古すぎて比較対象にならないと言うのが実情…と言うのがなんとも悲しい話ですが、花や虫などのマクロから、ポートレートまで対応できる優秀なレンズだと思います。
F004とF017の違いですが、AFがやや速くなった事、手振れ補正がシフトぶれに対応した事、防汚コートが施された事、外観が変わった事の4点のみです。 価格差は結構あるので、この辺りを考慮されると良いかなーと思います。

最後に少しだけ絞った作例。
一応被写体が蛇なので少しだけ下に追いやっておきます。


(NIKON D7100、f/8、ss1/60、90 mm、ISO 100)
鱗のように煩雑なモノでも、世間で言われるような二線ボケや硬さは感じないように思いますが、いかがでしょうか。

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