少し前の記事で触れた画角とライティング。フルフレームで90mm位を超えてくるとライティングなんて好きにやれば良いが、短いレンズだとそうもいかない。理由としては物理的にレンズ自身が邪魔する事、WDが短くなることにより被写体とレンズとの隙間が無くなってライティングが難しくなる事などがあげられる。
僕のライティングでは60mm位が境目…と言う話はしたが、具体的な話は被写体によって変わってくる。実例を撮るにあたって今回はアカハライモリくんにお付き合いいただいた。(それぞれ別個体。)

まずはフルフレームの35mm。比較的好きでよく使う画角。欲を言えば倍率を維持したまま背景をもう少しだけ入れたい感はある。仕上がり的にはしっとり感が無くてカサカサしてるような印象はあるが、それはまあこの季節なので仕方が無いと言うかそう言うモノ。
35mmの近接領域ではWDも短く、被写体とレンズの隙間が少ない。当然まともな大きさのライティング機材は挟めないので結構機材を選ぶ。が、不可能ではない。もしかするとライティングを考えていて一番面白いレンジかも知れない。無難な所ではカゲトリの類が光を回すには良いのだが、あれは僕的に許容できない要素がかなりあるので他の方法をもっと研究したいところ。


次いでフルフレームの60mm。こちらも主力級のレンズでよく使っている。60mmともなるとマクロ領域でも比較的光を差し込む隙間は色々あって、求めるライティングは結構やりやすい。反面、こちらのネックは倍率を稼ぐと絞り込まねばならず、背景をかなり選ぶと言う事。この写真は被写界深度を稼いでイモリの全身写すか、背景の処理を優先するか迷う羽目になった。ちなみに今回は右方向からの一灯でちょっと影を強めに落としての撮影。


そして今回の最後は15mm。APS-Cならともかく、フルフレームでは倍率を上げた場合にレンズと被写体の隙間がほぼなくライティングが非常に困難。出来ない事は無いけど自然写真撮影向きではない。せいぜい愚鈍な被写体でしか使えない。そしてフルフレームでは最大限に寄ると周辺が結構流れて扱いづらい。APS-Cで使った方が本領発揮しそうなレンズだが、そうするとわざわざこれでなくとも感がある。ハードル高いばかりで良い事が無さそうだが、本当にその通り。
魚眼ズーム故の歪みを気にしないのであればTokina107の方がかなり使いやすいだろうし、フルフレームでハーフマクロ近い24mm前後のレンズを使った方が圧倒的に撮影しやすいのだと思われる。まあ周辺の流れを活かしつつ、ライティングによって周辺減光のような効果を加えればスポットライト的な演出は出来るので、そう言った遊びの幅はあるのかも知れない。

まあそうは言っても画角もライティングも撮影者や被写体によってベストな答えは違うもの。
ただ僕的には色々機材を試した結論として、24mm前後と50mm前後、そして望遠群でシステムを構成したい感がある。その辺りで理想的なレンズって無いんだけども。

ところで、この季節になるとアカハライモリをよく見かけるが、越冬場所へ移動する途中だったりするのだろうか。高標高地では8月頃でももう土中に埋まってる事が多かったような気がするが、こちらの辺りではまだ田圃の畦道なんかをとことこ歩いている姿をよく見かける。

 

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