気になります。

このサイトは僕がニシアフを飼い始めた当初主流であった、「ニシアフの飼い方はレオパと同じで良い」とする飼育方法で色々失敗だのトラブルだのが出てきたため自分のメモを整理する目的ではじめました。
当時は「レオパよりやや多湿で」との記載はあったものの、実際飼育となるとキッチンペーパーにウェットシェルターと言う構成を押されている事が多かったです。

さてそんなレオパや他のEublepharis、ニシアフをはじめとするHemitheconyx、キョクトウトカゲモドキに分類されるGoniurosaurus属の生息環境の違いってどんなもんなんでしょうか。
まず最初に我々日本人の生活環境に最も(距離的に)近いGoniurosaurus属。
彼らは沖縄や中国、ベトナム等のエリアに生息しています。
これらの地域は温暖湿潤気候~熱帯雨林気候に属しており、肥沃な大地、森林、比較的多い雨量、高湿度を保っています。
また年間通じて(生息地は)20~28度位で保たれているケースが非常に多いです。
温暖な地域ではあるものの、生息圏は比較的冷涼な事が多く、また夜行性である事も相まって、主たる活動時間にはさほど温度が高くないと言う状況が多いように経験上思います。

一方でペットとして人気のあるEublepharis属は中央アジア圏の荒地や砂礫地帯に多く生息していると言われています。
一部ヒガシインドトカゲモドキなどは生息地がサバナ~熱帯雨林気候ではありますが、Eublepharis属の殆どがステップ気候~砂漠気候の地域に属しています。
これらの地域は基本的に昼夜の寒暖差が厳しく、また夏と冬の温度差がかなり厳しい地域です。
主な生息圏とされるインド北東部、パキスタン、アフガニスタンでは日中の最高気温が35度を超える暑い夏と、最低気温が0度付近まで下がる(地域によっては15度前後であったり、もっと低い氷点下であったり)冬の寒暖差が厳しい地域です。
各生息国の、さらにもっとピンポイントな生息地の気候を私は良く知りませんが、基本的には湿度、雨量こそ差があれど、日本の気温の範囲内に収まっている事が多いです。
その点が日本での飼育に向いており、また突発的な温度差に強いと言われるゆえんだろうと推測されます。
基本的にこのグループは文字通り砂礫地帯に生息しているため、土壌の肥沃度は殆どない黄色い砂地である事が多いようです。

そして最後にニシアフをはじめとするHemitheconyx属。
彼らの生息地域の北限が良く分かっていませんが、基本的にその殆どがサバナ気候に属しています。
ごく一部熱帯雨林気候であったり、ステップ気候であったりするかもしれませんが、今言われている生息圏は殆どサバナ気候の内側です。
代表的な国としてトーゴ辺りの気温を見た時に、基本的にこの国に夏も冬も存在しない事が良くわかります。
平均最高気温は一年を通して28度~32度の範囲内であり、平均最低気温は年間通じて22.5~24度までの範囲内である事が殆どです。
日本の(近畿地方の)気温と見比べた場合、この気温は7~9月程度のブレ幅しかないことがわかります。
あとは年間通じての違いと言えば5月6月に明確な雨季がある事ぐらいでしょう。
また多湿な場所に生息しているとは言われるものの、この地域は国土全体が肥沃度の低いラトソルに覆われています。

この辺りの生息圏による気候の違いは、これらの種を飼育するうえで設定する温度や湿度に大きく関わっているのは言うまでもありませんし、無視できない大きな問題です。
ただ沖縄に住むGoniurosaurus属で見た場合でも、彼らは那覇市内の都市部には殆ど生息していないと言う事実は非常に重要です。
やんばるのなかの極限られたポイントを好んで生息しているため、そう言った地域の気温・湿度を計測すると都市部とは大きく気候条件が異なる事になります。

この辺りが大変難しいトコロで、実際のEublepharis属の生息圏であったり、Hemitheconyx属の生息圏であったりを生で知らないと、彼らにとって最も適した気候条件がわからない、と言う事です。
うーん。気になりますね。
現地の気候。
人から聞いて想像する事は可能ですが、実際一度訪れて、その気候を肌で感じてみたいものです。

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