はい。今回はお題の通りです。

「ハイスピードシンクロって必要でしょうか。」

「使った事無いわ。」って人も結構多いとは思いますが、逆にポトレ屋では「無いと無理」って方もかなりいると思います。

今日はハイスピードシンクロ使った事無い人向けで話を進めて行こうかと。

ではまずこちらをご覧くださいな。

ただのカイヅカイブキの枝です。
超逆光。フレームから見切れるギリギリに太陽があります。(※逆光耐性あまりない古いレンズなのでフレアっぽいですが、それはこの際忘れてください。)

この写真の設定はISO64、絞りf/5.6、SS1/250です。
感度はこのカメラではこれ以上下げるには拡張感度の使用しかありません。
SSはハイスピードシンクロ出来ないカメラの同調限界(大体1/200か1/250の事が多い)に合わせています。

さて、実はこのレンズ開放f/1.4のレンズなんですが、日中ピーカンで絞り開放使いたい事もありますよね。ポトレ屋なら85mm f/1.4や135mm f/1.4のレンズの絞り開放を、フィールド屋でもf/2.8のマクロレンズの絞り開放を使いたい時なんかがそんなケース。

SSをそのままに、絞りだけ開放にしてみましょう。

ハイ、ほぼ真っ白。
(SSそのままと言いましたが、SS1/200にズレてました。結果ほぼ変わらないのでご容赦を。)

じゃあハイスピードシンクロができないカメラだとどう対処するか。
①自然光でそのまま撮影する
②レフで起こす
③NDフィルター使う
の3択になる事が多いと思います。当然①だと被写体のみ逆光だったり陰にいる時には被写体だけ暗くなってしまいますし、②はライティングを意のままにコントロールすると言う意味では、条件が揃っていない限り厳しいです。③がライティングのコントロールと言う意味では一番現実的ですが、被写体に待ってもらえるポートレートならともかく、フィールド撮影ではフィルターの付け外しの時間は命取りになりかねません。

とりあえず①で撮った例を見てみましょう。

ISO64、f/1.4、SS1/8000

はい、多分フィールド屋の皆さん的にはかなり無茶苦茶な設定に見えるかと思います。が、割とポトレでは見慣れた設定と言う方も多いのではないでしょうか。特に背景溶かす事を要求されるようなシーンで撮影している方には。

で、ISO64も、SS1/8000も、恐らくハイスピードシンクロを積んでいないようなカメラでは設定不可能な事が多いかと思います。ISO100とかSS1/4000が限界かなと。

そうなってくると約2段近くここから明るくなってしまうので、結果絞り込むか、NDフィルターを使うかしかなくなります。絞り込むと背景の印象が変わってきてしまうので、絵作りと言う意味では結果が変わります。実際の所はNDで対処するしかないでしょう。

さてさて、それがハイスピードシンクロを使えるカメラだとどうなるか。

ISO64、f/1.4、SS1/8000、フラッシュ発光

違いがわかって頂ければそれでOKだと思うので、ライティングの光質はこの際無視しますが、影になっていたカイヅカイブキの枝に光が当たりました。

ハイスピードシンクロが使えない、同調速度1/250、ベース感度100のカメラで同様の絵を撮るには、ISOで約1段分、SSで5段分の計6段露出を下げる必要が出てきます。NDフィルターで言うとND64が必要になりますね。

さてどうでしょう。
ピーカンの明るい背景を利用して、陰にいる被写体を撮りたいケースあるでしょうか?

僕はNDフィルターを極力使いたくないですし、近接しても露出倍数のかからない大口径レンズを使う事も多いので、HSSは必須の機能です。
が、そう言う撮影をしない方なら万が一の非常時のために一応可変NDフィルターを持っておく…で十分すぎるかも知れません。いや、それすら要らないよって人も多いのかも知れませんが、まあ、あれば撮れる写真のバリエーションが増えるのは確実…と言う事で。


なお今回はR女史のリクエストでHSSに触れてみました。話題提供ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です