最大撮影倍率

マクロレンズの倍率を表記する時に、換算何倍と書く人がいる。

何故なのか。

フルサイズだろうが1インチセンサーだろうが等倍のレンズは等倍なのだ。「1インチセンサーだからフルサイズ換算2.7倍」「マイクロフォーサーズだからフルサイズ換算2倍」等とするのは、間違い。

そもそも最大撮影倍率とはセンサーに対して被写体どをれだけ大きく写せるかを表す言葉なので、センサー横幅36mmのフルサイズ機で等倍撮影と言えば、36mmの物が画面上に一杯に写ると言う事が伝わる。これがマイクロフォーサーズ(以下μ4/3)で等倍撮影だとどうなるのか。マイクロフォーサーズのセンサー横幅は17.3mmなので、 μ4/3 で等倍と言えば17.3mmの物が画面一杯に写る事がわかる。 μ4/3 ではフルサイズの約半分の大きさの物が画面一杯に写るので、換算2倍…としたくなる気持ちもわからなくもないが、 単にμ4/3 で2倍…と言ってしまうと、17.3mmの半分、8.65mmの物が画面いっぱいに写る事を意味してしまう。言葉の意味としては「 μ4/3 で等倍」と言うだけで、「ああ、17.3mmの物が画面一杯なのだな」と伝わる所を、「 μ4/3 で換算2倍」と言われると、何を何に換算しているのか伝えない限り、「8.65mmのサイズが写るのか…?」と言うように混乱を生むので非常によろしくない。

これが例えば「俺はAPS-Cだから等倍マクロでフルサイズ換算1.5倍の撮影倍率で撮ってるんだ」と言うように非常に説明くさい表現で言う場合ならまだマシだが…。でもよく考えて欲しい。「俺は μ4/3 に5倍マクロにクローズアップレンズを併用した上に接写リングを複数重ねて換算20倍で撮影している」等と言われた時に画面上に何mmの物が写っているのか、スッとイメージできる人はいるのだろうか。 μ4/3 の小センサーにより、見かけの大きさがフルサイズ比2倍なので、その分をさっぴいた10倍マクロで撮影…すなわち1.73mmの物が画面一杯と言う事が言いたいのか、20倍で17.3/20の0.865mmの物が画面一杯なのかまるで分らない。前者であっても後者であっても換算する必要はなく、 「μ4/3 で10倍」「 μ4/3 で20倍」と言うように、必ずセンサーサイズを添えて倍率を書けば写っている被写体の大きさは伝わる。換算がいかに無駄かお分かり頂けるかと思う。

なので、どうしても出力された物目線で被写体の大きさを語りたい場合は、最近接撮影範囲や画界と言う便利な言葉があるのでそちらを使えば良いと思う。こちらの言葉の場合、センサーの大きさ云々は一切関係なく、出力された物(写真)にどれぐらいの大きさの物が写っているのかを表すので、よりシンプルだ。読み手がいちいち計算したり、撮影者の使用カメラのセンサーサイズを推察する必要がない。

例えば
Nikon D850で等倍マクロを使用し、等倍撮影した時の画界はセンサーサイズがそっくりそのまま画界となり、 画界は「35.9mm×23.9 mm」と表現できる。
レンズはそのままにカメラをD7100に変えたとしよう。倍率表記だと「APS-Cで等倍」としたり、あえて換算表記を使えば「換算1.5倍」等と書いていた所だ。この場合の画界は やはり等倍撮影なので、D7100のセンサーサイズ「23.5×15.6mm」が画界となり、出力ベースで見た時にフルサイズに比べて約1.5倍拡大出来ている事がこれだけでわかる。カメラを知らない人にもどれぐらいの大きさの被写体が写っているのか伝える事が可能だ。

いかがだろうか…。

…まあ、浸透はせんだろうなあ。

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