少し前に飼育を始めたと言っていた蛹だが、貰って1か月もしない内に出て来てしまった。休眠しなかったって事やね。

ウチスズメ

一見するととても地味で、全体的にはおむすび型のシルエットをした少し野暮ったい印象すら受けるスズメガ。

胸部の模様、翅に入った特徴的な模様から、見慣れた人にはああ、あれかってなる案件。そうウチスズメ(Smerinthus planus planus)である。

実はこの子たち、8月末に某山へ赴いた時に出会った雌の子である。あの雌をぽんさくが持ち帰り、採卵し、ヤナギをせっせと与え続けて蛹化までこぎつけた、と言う経緯だ。

と言う訳で、現時点では貰った蛹10の内、9匹が羽化完了。雄8、雌1と言う偏りっぷり。

(余談だがちょっと疑問。8月下旬に成虫が採れて、産卵~羽化まで約45日。飼育なので恐らく最短に近いペースで羽化したんだと思うけど、採集地では恐らく1化目が5月末~6月中旬頃だと思われる。で、8月下旬が2化目なわけだけど、その年の温度次第では3化目があり得るんだろうか…? まああった所で食草無くて死滅しそうではあるが。)

まあ脱線は置いといて、飼育でもしなきゃこんなじっくり撮れるチャンスもないってんで色んな角度からねっちり撮影したのでまた適当に貼って行く。幸いにも細かい事を要求しなければじっとしていてくれる良い子たちばかりなので色んな角度から撮った割には手間がかからんかった。足の角度とか言い出したらキリが無いけど、そこはモデル任せで。

じゃ、早速

ウチスズメと言えば威嚇の翅開き眼状紋見せポーズ。雄の触角を指先で軽くツイツイっと触ればすぐ開いてくれる印象。逆に雌はあんまり開いてくれんかな?個体差かもしれんけど、今まで出会ったのは全部そうだったかも。

なお威嚇時は触角の角度が絶妙で、ノコギリスズメの時に使った顔面も顔(翅の表)も見える欲張りアングルでは、触角に阻まれて眼が見えなかったり、眼が見える角度をチョイスすると表が見えなかったりでなかなか厄介だった。

威嚇時の眼状紋だが、頭が上にある状態で見ると結構情けない顔に見えるのに、頭の方から見たり、頭を下に向けた状態(上下反転でもいいけど)で見ると怒り顔っぽい雰囲気がある。

繰り返しだけど、翅を見せると顔面が見えず、顔面を見せると翅が見えずでほんと厄介。

ポーズの違いで顔面の印象も絶妙に変わって見える。下の写真の方がやや威嚇気味。

一方こっちは雌。わかりにくいが腹部の形状が結構違う。

触角つんつんしても、触角をピコーンと立てるだけで、翅は開かず。

なお、この雌、早速卵産んでたんですが…。ただでさえ食草無い地域なのに餌ないよ…。未交尾である事を祈ろう。

ところで蝶とか蛾を正面から撮る時って目にピントを持って行くか、眉間に持って行くかって結構悩む。印象だけの場合は眉間の方が不自然さは減るけど、でもやっぱり目に合わせておきたい感もあって…

眉間って言うか頭部の毛流れはなんかソフトモヒカンみたいになってんですね。隆起した毛流れと、立てたモヒカンを下支えしている毛流れとかほんとソフトモヒカンそのもの。

アングル下げて、虫目線で見ると結構背中の隆起が目立つと言うか。なんかバイソンのような佇まい。ちょっと威圧感ありげに見える。

雄の腹部、横から。雄は海老反ったおなかがかわいい。

ってな感じでおしまい。
もう、一生分ウチスズメ撮った気がするわ。

ちなみにほぼ同じ環境で撮ってるけど色味が全然違うのは、性質とか方向性がかけ離れた機材とかレンズ変えまくったせい。仕事でも無いんで差の吸収は手抜きした。

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