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◆ニシアフリカトカゲモドキの飼育方法
作成日:2010.09.11  更新日:2015.07.29
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【ケージ】
◇ストックでなければゆったり目に◇
 具体的なケージの紹介は後でするとして、まずは基本的な情報を記載しておこうと思います。
基本的に単独飼育の場合は広ささえ確保できるのであればレターケースでも飼えるとさえ言われており、最低限ケージの幅×奥行きはそれぞれ全長の二倍以上あれば良いとされています。高さはさほど必要はありませんが、シェルターの高さやレイアウトに合わせて適宜調整してください。
 とは言え、自然下では無限の広さがあるとも言えるので、広いケージを用意してあげるのも一つの考え方でしょう。広大すぎる事が逆にストレスになってしまうと思うのであれば、隠れられる障害物を沢山用意してやれば良いかもしれません。 夜行性の為あまり目にする機会はありませんが、立体的なレイアウトを施した場合に生体が好みさえすれば立体行動もそれなりにするようです。 (立体的なレイアウトを施さなくとも、ウェットシェルターの上に登る位は頻繁にしています。)
  尚、長期的に飼育していると感覚として理解できるようになってくるのですが、一般的によく使用されている長辺30cm程度のケージの場合は「飼育している」と言うより、「ストックしている」と言う言葉の方が当てはまる印象で、フルアダルトにもなると生体が窮屈そうに動くのがわかると思います。個人的には長期飼育をするのであれば最低でも45〜60cmのケージは与えてやりたい所です。


上はシェルター上でくつろぐこむぎ女史。下はウェットシェルターの上でもそもそしている我が家のたま氏。この程度の立体活動はよくしているのを見かけます。



 それから多湿を好む生き物ではありますが、湿気が多いことと蒸れている事はイコールでないことに注意して下さい。ある程度の湿度は確保した上で、通気性の確保も必要になります。

◇じゃあどんなケージが向いている?◇
 爬虫類は基本的に上から物が近づくと警戒する事が多い(*1)ので、少数の飼育であれば前面が開けられるタイプのガラスケースの方が良い…と言われる事が多かったのですが、反面ガラスケースは重くメンテナンスの際に苦労する面もありますので、ここでは扱いやすく軽量なアクリルケージをお勧めしておきます。この辺は好みで選んで下さい。
  また広いケージは活動範囲を広げるメリットはありますが、全体の温度コントロールが若干難しいです。我が家ではCRYSTAL STAGE、自作アクリルケージ(45cm幅)、オーダーメイドのアクリルケージ(60cm幅)などで、成長具合・雄雌等によって使い分けています。
(*1 上から鷲掴み…などはまさしく鳥に捕獲されたと勘違いし、暴れたり自切したりするからではないかと推測。)
ここでは幾つか扱いやすいケージを紹介しておきます。

【アクリルケージ各種】
 幾つかあるのですが、まずはトップクリエイトのアクリルケージ 大 TOP-AC360。こちらは横幅36cm×奥行き32cm×高さ16cmと他のアクリルケースに比べると少々大き目ですが、成体の雄ともなるとこれぐらいの大きさがあっても少々手狭です。あとは似たような大きさですが、同じくトップクリエイトのアクリルケージ 小 TOP-AC180(横幅18cm×奥行き32cm×高さ16cm)、三晃商会のレプタイルボックス(幅20cm×奥行き30cm×高さ15.5cm)、ファンタジーワールド クリスタルステージ(※クリスタルステージはAmazon記載の商品寸法が間違っており、幅20cm×奥行き30cm×高さ15cmのはずですが、ご自身でご確認ください。)などが雌など中型の個体までにはおすすめです。大きな個体には30cmケージは若干窮屈だと思いますので、その場合アクリルケージだと自作やオーダーメイドになってくると思いますが、アクリル加工を行っているメーカーさん等に相談してみると、市販品よりはるかにパフォーマンスの優れた物を制作してくれたりもします。是非良いお店を見つけてみてください。


【プラケース各種】
 アクリルケースは高い!安い方がいい!と言う方にはプラケース各種をおすすめしますが、プラケースには基本的に下駄(底面にある足の部分)があるため、保温がし辛いです。エアコンなどで一括管理する方の方が実は向いていると思います。また、ふたの分幅は取るにも関わらず、意外と底面積が狭いと言うのが最大のネックです。昆虫用のいわゆるプラケよりは、爬虫類を入れる事を意識して作られている、スドーのレプティケースシリーズが良いのではないでしょうか。大きさは各種ありますが、スドー レプティケース S 【爬虫類・両生類用 給餌ドア付プラケース】や、スドー レプティキューブは少々小さく、ベビーからサブアダルトまでが限界でしょう。成体に使う事を見越すのであれば、最低限HERPCRAFT レプイティケース RX-410 爬虫類・両生類用プラケース(幅31.8cm×奥行き23.6cm×高さ15.6cm)ぐらいは必要です。更に大きなものであればスドー レプティケースL(幅41cm×奥行き26cm×高さ15cm )や特大フラット 幅43×奥行34×高さ19cmの大型フラットプラケース 等がおすすめです。


【その他のケージ】
←ビバリアの各種ガラスケース。高さが無駄になりがちではあるが、単独飼育の場合の広さは充分と言える。パオライズは落し蓋方式、レプロ・ウィンディはスライドドア方式。
※販売元のトリオコーポレーションは2012/10/31に自己破産準備に入ったため、今後ビバリアブランドの飼育用品は入手困難になる物と思われます。


サンコーから発売されたパンテオンシリーズや、GEX(エキゾテラ)のグラステラリウムシリーズがレプロシリーズの代替として良いだろうか。他にもスドーのレプティケースはプラケの中でも扱い易い。
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【床材】
◇メンテナンス性と脱皮補助をよく考えて◇
 ニシアフリカトカゲモドキを飼う上でかなり頭を悩ませるのが床材だと思います。床材には砂やコルクマットやパーム土、他には新聞紙・キッチンペーパー等、普通に床材として利用できる物なら大抵使用できるのですが、それぞれ長所や短所が明確です。ご自身の環境と生体の好み、成長具合に合わせて使い分けて下さい。


 使い古し感があって若干見栄えが悪いですが、我が家では成体の環境は最終的に上の写真のようなレイアウトに行き着きました。もう何年もこのようなレイアウトを使っています。使用している床材はテラコッタタイル、赤玉土とパーム土とバーミキュライトの混合土、小皿の上にキッチンペーパー(トイレ)です。タイルを置く理由は給餌の際の誤飲防止、タイルを温めておく事による生体の腹側からの加温、吸水性の高いテラコッタタイルの使用による保湿目的など様々です。
 
シェルター下などに敷く物はテラコッタタイルやスレート石、普通のタイルなど平らでかつ、ほんの少しざらざらしているぐらいの物がお勧めで、ホームセンターなどに行けばいい素材が見つかると思います。表面がざらざらした物を選ぶ理由は、脱皮の際の指先の脱皮不全を防ぐことが目的です。特にキッチンペーパーやペットシーツなどの吸水性の高いものを長期使用する場合、地域や家の構造によっては保湿が大変難しくなります。
  比較的暖かい場所に平らな石やテラコッタタイルなどを置いてやると、その上でお腹を温めていたりもするのでスペースがあれば入れてやると良いかもしれません。



ただしこれはパネルヒーターの上等に絶対直接置かないようにして下さい。ヒーターに直置きするとそこそこ熱くなるので、低温火傷などの原因になります。土などを間に挟み、間接的に暖めると良いように思います。
  トイレに使う小皿は同様にタイルでもいいですし、100均等で買える極力平らな小皿がお勧めです。こちらはシェルターに敷くものと違い、水を吸い込まない物を選ぶと掃除が楽になると思います。
 シェルターやトイレ以外の場所には赤玉土とパーム土の混合土がお勧めで、ホームセンターなどに売っている小粒の赤玉土をベースに、下のような爬虫類用のマットを混ぜて使うと良いでしょう。最初は馴染みが悪いので、少し水などをかけて混ぜてやるといいかも知れません。



 上記の環境はあくまで成体向けで、ベビーからサブアダルトまでの誤飲が怖い時期には砂や土を使わず、キッチンペーパー等で管理した方が事故は少ないと思います。成体の場合でもミズゴケシェルター等は比較的誤飲しやすくお勧めしません。うちのも何度かミズゴケを飲んでしまい、排泄されるまで随分時間がかかりました。


■各床材の特徴
◇砂系
デメリット:誤飲からくる腸閉塞の例が報告されており、全体を掃除する際に砂を全て捨ててケージを丸洗いする必要が出てくるため少々苦労する面があります。特に幼体は腸閉塞を起こしやすいとの情報が多いので注意して下さい。ヒョウモントカゲモドキ等で使用する砂類は保湿面からニシアフリカトカゲモドキにはあまり適していないようです。経験則ですが、ニシアフリカトカゲモドキは買ってきたままの砂類のようなフワフワして安定しない足場を嫌う傾向にあるように思います。そのような場合、一度砂に水をかける等して足場を固めてやると改善するかもしれません。またヒョウモントカゲモドキにせよニシアフリカトカゲモドキにせよ砂環境に慣れた個体は積極的に砂を食べる傾向があるように感じます。今の所私が観察してきた限りでは、この行動が悪い影響を及ぼす事はなく、むしろ整腸効果があるようにも見受けられます。

◇パーム土・赤玉土などの土類
メリット:一度温まれば保温性が良く、水分も吸うため保湿性が高いのがメリットです。また脱皮の際に残り易い足の指先の皮等も綺麗にむける事が多くオススメです。
パーム土などの有機系の土は微生物が発生しやすく、上手く回ればメンテナンスの手間が減ります。野生の生息地はラトソルと言われる肥沃度の低い赤土である事が殆どだと言われていますので、赤玉土等の有機成分を殆ど含まない土に、パーム土、黒土等の有機成分を含む土を混ぜるとバランスが良いかと思います。
デメリット:砂系同様に、飲みこめるサイズの粒の土を使うと誤飲する事も多く注意が必要ですが、タイルやスレート石等の併用でデメリットを緩和できます。 それからパーム土などの有機物を床材にする場合は湿気を吸いやすい素材を使うと、ニシアフに適した温度・湿度下ではダニ・カビの温床になりやすいので定期的に掃除する必要があります。

◇紙類
メリット:新聞紙やキッチンペーパー等の紙は丸替えが簡単なためメンテナンス性は非常に良いです。
デメリット:毎日の糞掃除のたびに全とっかえとなるのは少々面倒です。更に紙類は吸水性が高いことが多く、ニシアフの脱皮に必要な水分を奪い取ってしまう可能性があります(私が使用した限りでは足の指先が脱皮不全になりやすかったのでオススメしません。)。またウェットシェルターの下などに敷くとカビが付着しやすいです。トイレ箇所にだけ使用すればデメリットを回避できます。
また、紙類は保温効率が非常に悪く、パネルヒーターでのみの加温の場合、必要な空気温度まで上げるためには底面の温度が上がり過ぎる事が多く、低温火傷等のトラブルを招きやすいです。エアコンの併用等、別の手段で空気を温めるないと扱いづらいでしょう。

※参考資料
我が家で試した床材比較
致命的だと思った所は強調表示しています。
飛散 誤飲 保温 保湿 安定 脱臭 ダニ 掃除 大掃除
Vivaria ネイティブサンド カルシウム × ×
カミハタ デザートブレンド(クルミ片) × × ×
ZOOMED エコアース(ヤシガラ土) × ×
ペットシーツ ×
紙(キッチンペーパー等)
コルクマット ×
× ×
赤玉土
飛散:床材の飛び散りにくさ。○飛び散りにくい←→飛び散りやすい×
誤飲:生体が餌を食べる際などの誤飲しにくさと、誤飲した際の安全性。○誤飲しにくい←→誤飲しやすい×
保温:床材の保温効率の良さ。○良←→悪×
保湿:床材の保湿効果。○良←→悪×
安定:生体が床材の上を歩きやすいか否か。○安定している←→足場が沈みやすい×
脱臭:糞等の脱臭効果。○良←→悪×
ダニ:ダニの繁殖しにくさ。○繁殖しにくい←→殖えやすい×
掃除:毎日の糞掃除等の簡単さ。○簡単←→面倒×
大掃除:床材を除去してのケージ全体掃除のやりやすさ。○簡単←→面倒×

◇床材総括◇
 トイレを決まった場所でしてくれる個体ならば、トイレの場所だけペットシーツやキッチンペーパーあるいは小皿などを置き、それ以外の場所にタイル、コルクマット、土等を使用すれば普段の環境維持を含めたメンテナンスが非常にラクだと思います。トイレ場所が定まらない個体でも、トイレ場所にしたいトコロに排泄物を移して匂い付けしておくと覚えるかも知れません。どんな床材を使うにしてもシェルターの下だけはしっかり保湿できる物を使ってください。足の裏など、繊細な箇所の脱皮不全を未然に防ぐためにはこれが一番良い方法だと思っています。例えばミズゴケを入れたトレイを置くとか、湿気を帯びた土類を敷く等してやることで脱皮不全対策が取れると思います。(※ただし誤飲対策は忘れないよう施して下さい。)




【シェルター/水入れ】
◇隠れ家は必須◇
 隠れ家となるシェルターは、湿気を帯びたシェルター…つまりウェットシェルターが必須と言えるでしょう。 野生下では一年を通じて高温多雨な地域に生息しているため、隠れ家は湿った場所である事のほうが多いそうです。 ウェットシェルターは脱皮時の保湿や、日中の隠れ家として活躍してくれるので必ず用意してあげてください。


(上の写真はスドーのウェットシェルターと、スドーのレプティボウルS(水入れ)。)
ウェットシェルターと一言に言ってもは市販の素焼きシェルターや、タッパにミズゴケを入れた自作シェルター等色々ありますが、我が家では保湿性の高い土の上にスドーのウェットシェルターを設置しています。低面積が30cm×20cm程度のケージの場合、スドー ウエットシェルター Mを使えばよいでしょう。タッパにミズゴケを入れたものを用いる場合は、挟まったり、脱出できなくなって死んでしまわないような構造になるように工夫してやって下さい。

  ただ、ウェットシェルターのチョイスは個体がどの程度の湿気を好むかを考慮して選んでやった方が良い結果になることが多いようです。参考までに我が家には数匹のニシアフがおりますが、その内何匹かはほぼ水浸しと言える位の多湿を好むので、その個体のケージには水にどっぷり浸かれる場所を用意しています。なお、市販のウェットシェルターでは足元の保湿が不十分な事も多く、指先等の脱皮不全を起しやすいので、床材に土等のザラザラした材質の物を用いるか、足元まで保湿できる工夫は必要です。


(上の写真は我が家の水没王女こと、こさめ女史。暇さえあれば水の中にどっぷり浸かっておられる。)

◇飲み水も欠かせない◇
 上で書いたように湿気が多く必要な生き物とは言え、ウェットシェルターと水入れなどで生体が好む湿度を確保できるのであれば他が乾燥気味でも良いようです。ただし、湿度確保のシェルター以外に、必ず飲み水は用意してあげてください。 止水が認識できない個体も稀にいますので、そう言った個体には霧吹きを壁面にかけて与えてください。なお常設してある水入れが認識できる個体は水入れから水を飲むので鮮度の維持は欠かさないようにしてください。


上の動画はニシアフが水入れからひたすら水を飲む(だけの)動画です。

◇アレンジするのもまた一興◇
 ケージ内が殺風景で寂しいと思う人は、だらりんショップさんをはじめ今では様々な種類のシェルターがあります。ただしだらりんさんの物は元々レオパ向けに作成されているのでスドーの素焼きの物より保湿性はかなり低くなっています(上部の水入れ部分に釉薬が塗られており、シェルター全体に水が浸透しにくい構造)。そのため湿度は他の方法でしっかり補ってやってください。購入可能な場所は主にぶりくら等のイベントや委託販売等です上記リンクのサイトから予約販売が可能になったそうです。


(上の写真はメインケージのメンテナンス中に撮影したので通常のレイアウトとは異なります。)

スドーのウェットシェルターは上の水入れに生体が自ら浸かれば脱皮不全防止になる反面、水入れ部分に糞をされる事も。ビバリアは蓋付きなため中に糞をされる事はないが、水に浸かる事はできなくなる。


【保温・保湿と照明】
◇好む環境は高温多湿◇
 ニシアフリカトカゲモドキとは?のページでも書きましたが、野生下では通年平均気温が28度前後、1年の半分近くが雨期であるサバナ気候で生息しています。ケージ内の温度設定も極力これに近付けるため、日中30〜32度前後、夜間で28度前後に設定するのが良いようです。一時的にであれば下は10度後半、上は30度後半ぐらいまでなら耐えられると言う話を聞きますが、それも瞬間的な話なので過信は絶対に禁物。絶対にそのような温度にはならないように注意して下さい。万が一その温度になって生体が無事だったとしたら、単に運が良かっただけと思うべきです。
  年間通じて平均気温が26度〜28度と言う地域でもない限り、温度の維持にはパネルヒーターや保温球などの暖房器具が必要になります。また、夏場30度を超えるような地域では冷房器具も必須と言えます。特に冷房は選べる器具が殆ど無く、エアコンでの調整ぐらいしか選択肢がほぼありません。他にも冷水ペットボトルや扇風機等も考えられますが、微調整がかなり難しいのでオススメしません。 意外と大変なのがこの温度維持で、年間通じて30度前後に温度を固定する自信がないなら飼育は避けるべきでしょう。


(上の写真は今はなきトリオコーポレーションのVivariaマルチパネルヒーター16W。温度を自分で調節できるタイプのパネルヒーターの方が便利だと思います。)
 ケージ内の温度は均一にするのではなく、少し涼しい場所(低温部で25〜27度程度)・少し暖かい場所(高温部で32度程度)・通常の場所に区切って、温度勾配をつけてやると彼らは自分で体温調整を行えます。 ・・・と言いますか、彼らは変温動物なので自分で温度を選べない環境と言うのは命に関わる問題です。
  冬場の保温の際にはパネルヒーターだけではなく、暖房などの空気自体を暖められる器具を使って、空気と腹の下の両方を暖めてあげて下さい。エアコンで管理する事ができるならそれがベストでしょう。(ただし保湿には要注意。) これは腹の下だけが暖かくても、肺に直接入る空気が冷たいと簡単に状態を崩してしまうからです。
  パネルヒーターにのみ依存して保温をすると、日本の気候の場合どうしても空気を暖めるためにはかなり設定を上げねばならず、生体の腹や足が触れる部分が高温になりがちで低温火傷の原因になりやすいので注意が必要です。なおパネルヒーターは温度を自動調節するタイプの場合はサーモスタットを必ず併用するようにして下さい。
 小さなアクリルケージ等の場合、底面パネルヒーターに加え、発泡スチロールやスタイロフォーム等で周囲を囲い、上から半面だけタオルなどを被せるだけでも保温性は随分マシになりますし、窓ガラス用の反射断熱シート等をケージ壁面に貼り付ける等も効果があります。またヒーターの下にも断熱材を敷くことで保温効率は上がりますが、ケージ内温度が上昇し過ぎて生体が蒸し焼き状態にならないよう、必ず上がり過ぎた温度から生体が逃げる事が出来るスペースを用意してあげて下さい。
 多数ケージを置いている場合等はエアコン管理が不可能であれば温室の使用も考慮すべきです。高価なガラス温室のほかにも園芸用のビニール温室も有用ですが、温室内部の温度が均一になるように空気の流れを考慮してください。
←これらの断熱材でケージを囲えばヒーターの保温効率Up。内部温度が上昇し過ぎないよう注意は必要。


←ガラス温室は保温性に優れるが高価。ビニール温室は安価だが保温性に難あり。いずれもヒーターやファン、サーモスタットの併用が必須

 ケージ内のどこを加温するのかですが、「普通、野生下では隠れ家となる巣穴の方が涼しいんじゃないの?」との意見や、「野生の巣穴の温度は30度前後ある事が確認されている。」等とする真逆の意見がよく見受けられます。 心配であれば30度付近でキープしている箇所と、25度位の加温していない箇所の両方にシェルターを置いてやればいいでしょう。そうすれば生体が自由に選べるので、個体ごとの好みもおのずとわかるはずです。

←「ピタリ適温」のような温度設定できないタイプより、こちらのような温度設定を調整できるタイプの方がオススメ。
※販売元のトリオコーポレーションは2012/10/31に自己破産準備に入ったため、今後ビバリアブランドの飼育用品は入手困難になる物と思われます。

←上記のビバリアブランド以外で温度を任意に設定できるタイプのパネルヒーターはGEX(エキゾテラ)のヒートウェーブ(旧製品)のみ。ヒートウェーブネオへの置き換えが進んでいるためこちらも今後入手困難に。
←サーモスタット併用が大前提だが、自動で温度を調整するタイプのヒーターも使いやすい。


◇照明・紫外線は必要?◇
 トカゲ等では絶対必要となってくるライトや紫外線灯ですが、室内で間接的に光が当たる程度で充分です。紫外線や光に関しては当てないようにするべきとの情報が多く見られ、これはトカゲモドキがヤモリである事や、夜行性の生き物である事にも由来しているのでしょう。とは言え、月明かりにも紫外線は含まれているので、微量の紫外線は必要ではなかろうか、とも考えられます。この辺りの選択は考え方次第ですので適宜調整してください。

◇局部的に多湿が必要◇
 保湿に関しては60%以上の湿度が必要となると言われています。これはシェルターの項でも書いたことと重複になってしまうのですが、湿度を60%以上に保つのはシェルター内部だけでも充分なようです。ただし基本はあくまで基本であって、個体差により好みも違うようなので様子を見て調整してあげてください。我が家の例で言えば、同じ場所、同じ温度設定、同じレイアウトに設定している二つのケージでも、片やシェルターの中で寝ており、片や一日中水に浸かっている・・・などと言う例もあるので個体による好みも随分違うのでしょう。この辺りは個体がケージ内で色々な環境を選べるよう調整してやるのも一つの手ですね。


【その他・あると便利な道具類】
上記以外にも、あれば便利な道具が色々。だいたいの物はホームセンターやスーパー、百均等で売られていると思います。
霧吹き
 湿度維持や給水に使います。必ず使う物でもないですが、いざという時にあると助かります。
ピンセット
 給餌用は竹やシリコン製の物がお勧め。掃除用に金属製の物もあると尚良し。
金属製の箸 or スプーン
  あらぬ所にされた糞を掃除するのに役に立つ。環境次第ですがあると便利。
スポイト
 水を与える時や、強制給餌の際、液状にしたフードを与えるのにも役に立つらしい。ウチでは使っていないがいざと言う時無いと困るので用意だけはしておこう。
1辺5cm程度のタッパ
 餌のコオロギにダスティングをする際に重宝する。カルシウムパウダーを入れておき、餌のコオロギを入れて軽く振り振りすれば大体均等にまぶす事ができる。
ミニトレイやバット
 冷凍餌の解凍等に使用。冷凍コオロギなんかは自然解凍が普通なので、並べておく場所は欲しい。


(ミニタッパとピンセット。給餌の際に使います。)


(ステンレスバット。)

それからもう一つ、あんまりやってる人はいないようですが、生体の観察記録をつけるノートがあると、トラブル回避の観点から役に立つと思います。 毎日、温度・湿度、餌を食べた数、糞の有無、脱皮をしたか、定期的な体重チェックなどなど記録しておく事で、どういう時に餌食いが落ちるのか、何が原因で体調が優れないのかなどがわかって便利だと思いますので、記録を付ける事を強くお勧めしておきます。これは別にアナログのノートである必要はなく、Excel等のデジタルでも問題ありません。たまおやはアナログとデジタルの両方で管理しています。(アナログのノートもつけておくのは、数日間家を空けなければならない際等に、家族に餌やりを依頼しやすいからです。)







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