現在位置:index / 品種
◆ニシアフリカトカゲモドキの品種
作成日:2010.09.11  更新日:2015.06.27


たまおやはモルフものに興味がほぼ無いので、古い情報で更新が止まっています。モルフについては外部の情報を参照された方が正確かと思います。



■品種
 ニシアフリカトカゲモドキも少ないながらにも幾つかの品種が作出されています。
幾多のブリーダーにより様々な品種が作られていますが、それらの互換性や出自、遺伝性質の検証については曖昧な事も多く、今後このページに記載されている内容と違いが出てくる可能性は多分に含まれていることをご了承ください。
※またルーツが不明な物については厳密にモルフと呼んでいいのか、本来混ざりえない地域固有の表現型を混ぜていないか…等と言った問題もありますが、ここではそれらを考慮せず、一般的にニシアフリカトカゲモドキのモルフとして扱われ販売されている物を記載しています。品種の交雑については充分その意味や必要性を考えてされる事をお勧めします。

□ノーマル (Normal)


概要: いわゆる野生型表現個体。
個体差により体色には差異があるが、最も多いのはベージュ〜薄茶の地色に焦げ茶色のバンドが入った品種で、WCではオレンジの強い個体はあまり見受けられません。
よりオレンジの強い個体はタンジェリン、より赤みの強い個体はアプリコット等と呼ばれる事があります。
遺伝性質: 野生型
作出者/作出年: 野生型表現型
備考 ※ハラミ様よりワイルド個体の写真提供頂きました。


□グラニット/グラナイト (Granite)

概要: 地色部分である橙/黄土色の部分に複雑な模様が入る表現形。野生型表現形の一種。 グラニット(Granite)とは花崗岩の意味で、一般的なツートンカラーのうち明るい色の部分に花崗岩のような模様が入ります。 優性遺伝と言われていますが曖昧な情報も多く、共優性や不完全優性である可能性も否定されていません。
遺伝性質: 優性とされていますが共優性、不完全優性の可能性も否定されていません。Polygenetic(多因子性遺伝)である可能性もあるそうです。
作出者/作出年: 野生型表現型
備考 グラニットの遺伝形質について語られる際に厳密な検証データに伴う情報が見受けられず、現状(2015/06/27)では情報が錯綜しています。
正確に検証されたデータが上がればいずれ正確に判明する物と思われます。


□ストライプ (Stripe)

概要: 背中の真ん中に一本の白い線(ストライプ)が入る表現形。 こちらも野生種にも見られる表現形。遺伝形質については曖昧な情報が多い。
遺伝性質: 情報が多数ある為、遺伝形質についての正確な情報は不明。
海外サイトでは優性と優性ホモの2タイプが扱われている事が多いが、この説ではノーマル同士からストライプが生まれる説明がつかない(もっともノーマル同士からストライプが産まれたと言う正確なデータもないが)。
詳しい人は下記()内参照
(どのような遺伝をするか曖昧だとしたのは…
@ストライプ×ストライプの交配でストライプが生まれなかった。
Aノーマル同士からストライプが生まれた。
等の情報が散見されるためです。
この@、Aの例が、そのどちらも真であった場合から得られる可能性を考えると、@からはストライプは「エピスタシスでない単純な劣性遺伝」である可能性を否定します。何故ならストライプが単純な劣性遺伝であった場合の遺伝子を仮にsと表現するならば、ストライプの表現形の個体はssと表現できるので、ss×ssはssにしかならないはずだからです。
 一方でAからはストライプは「エピスタシスではない単純な優性遺伝」である可能性を否定することとなります。これもストライプが優性遺伝であった場合の遺伝子をSと表現して考えるとわかりやすく、もしストライプが優性であるならば、ノーマルはssなのでss×ssはssなのでSSは産まれずノーマルしか生まれないと考えられるからです。

つまりこの2ケースがどちらも真であった場合を言い換えれば、A.ストライプはエピスタシスである可能性がある。あるいはB.表現型がストライプになる対立遺伝子が複数ある(複対立遺伝子のうち幾つかがストライプと言う表現型を取る)と言うどちらかのケースになるのではないかと思われます。
 @のみ真であった場合の可能性としては、A.ストライプはエピスタシスである可能性と、B.ストライプは複対立遺伝子のうちの一つである可能性、C.ストライプは優性でかつ両親共にヘテロであった可能性の3種類が示唆されます。
  Aのみ真であった場合の可能性としては、A.ストライプはエピスタシスである可能性と、B.ストライプは複対立遺伝子のうちの一つである可能性、D.ストライプは単純な劣性遺伝である可能性、の3つが示唆されます。

ただ、@Aの情報共に出自が怪しい情報なので、ストライプの遺伝形質を確定させるためには然るべき知識を持った人の手による検証が必要なのは間違いありません。
ここで言える事は少なくとも、D.ストライプが劣性ホモ接合である事を否定するには、ストライプ同士からストライプが生まれないケースがあると言うデータを取る必要がありますし、C.ストライプが優性であることを否定するにはノーマル同士からストライプが生まれることがあると言うデータを取らなければなりません。 つまり、@Aが確かに真であると言う事を証明できなければ話が進まないのです。
作出者/作出年: 野生型表現型
備考 なお、ストライプは他のアルビノやホワイトアウト、パターンレス、ゼロ等とのコンボモルフが作出可能。


□アルビノ (albino)

概要: ニシアフリカトカゲモドキのアルビノは、T+アルビノ(メラニンを作るチロシナーゼと言う酵素がが多いアルビノ)で目も黒いまま。 体色はノーマルの焦げ茶色の部分が白〜ベージュに抜け、橙の部分は概ねそのまま。野生下で希に見られる表現形でしたが、人工繁殖によって固定化されました。劣性遺伝と言われています。ストライプとのコンボも定着しています。
遺伝性質: 劣性遺伝
作出者/作出年: 野生型表現型・突然変異
備考 オレンジが強い個体をタンジェリンアルビノ、ノーマルの焦げ茶色部分がベージュ〜薄茶色になる物をキャラメルアルビノ、オレンジ色の部分が赤に近いオレンジになる物をアプリコットアルビノと呼び分ける事もあります。

これまで一種として扱われていたアルビノにも、異なるタイプのアルビノの存在が確認されています。(代表的なのはキャラメルアルビノで、通常アルビノとの交配で致死となるホワイトアウトやパターンレスとの交配も可能だと言われています。キャラメル以外にもこのようなホワイトアウト等とのコンボが可能なアルビノも存在するかも知れません。)


□パターンレス (patternless)

概要: バンド模様のない表現形。JMG Reptiles等によって固定化されています。希に野生下で出現するそうですが、日本に流通する事は非常に稀です。2013年時点では日本に流通している個体はJMGによって固定化されたものが大半を占めています。
遺伝性質: 劣性遺伝
作出者/作出年: 野生型表現型・突然変異を固定化
備考 JMGによるとアルビノとの交配では卵の段階で死んでしまうか、奇形になるか、生まれても4日以上生きられないとの事。(但し前述の「異なるタイプのアルビノ」がもしいれば、パターンレスとのコンボも考えられます。) WhiteOutとの複合表現型として、PatternlessWhiteoutなるものもJMGでは販売されています。


□ホワイトソックス (WhiteSocks)

概要: 四肢の先が白くなり、まるで靴下を履いたような表現形。固定化はできていない模様。品種と呼べるのかは様々な理由により微妙。(そもそも遺伝的に固定できていない物はモルフと言わない。)
現在ではただのノーマルとして扱われている。
遺伝性質: 推測の範囲を出ませんが、恐らく量的形質ではないかと思われます。
作出者/作出年: 野生型表現型
備考 足の全てが白くなるかどうかは決まっている訳ではない。
ノーマル個体の殆どが指先は白いが、足の甲まで白い個体、足首まで白い個体等様々。

写真提供者様募集中。


□ホワイトアウト (WhiteOut)


概要: 白と黒(又は焦げ茶)の2色構成で、ホルスタインのような模様の表現形や、グラニットをより強めたような表現形。モルフとしてのグレードは本種本来のオレンジもしくはベージュ色の少なさで語られる事が多く、白面積が多い個体ほど品種としてのクオリティが高いとされる。
そのルーツはJMGが明かしていないため不明です。
遺伝性質: 共優性
作出者/作出年: JMG/2009年03月
備考 JMGによると、ホワイトアウト同士のホモ接合及び、アルビノとの交配では卵の段階で死んでしまうか、奇形になるか、生まれても4日以上生きられないとの事。(但しこれも前述の「異なるタイプのアルビノ」がいればアルビノとのコンボの可能性が出てきます。) パターンレスとの複合表現型として、PatternlessWhiteoutなるものもJMGでは販売されている。


□ゼロ (Zero)

概要: 焦げ茶色のバンド模様が繋がっている表現形。パターンレスがバンド模様がないのに対し、こちらは焦げ茶色のバンド部分が繋がったようになっている。
パターンレスには頭部のこげ茶色模様が入らないのに対し、ゼロは東部の模様はノーマル同様です。

また、JMGによるとスティンガーとゼロは本来同じモルフで、スティンガーにストライプが入るとゼロになると言う話もありますが、こちらも更なる検証が必要だと言えるでしょう。
遺伝性質: JMGが情報を開示していないため不明ですが、海外サイトではCo-diminant(共優性)として扱われている事が多いようです。
近年では優性として扱われており、情報の整理・検証が必要であると思われます。
パターンレスに対する複対立遺伝子の一つで、同時にその表現型を撮る事はないと言われています。
作出者/作出年: JMG/2009年春
備考 JMGによるとアルビノとの交配では卵の段階で死んでしまうか、奇形になるか、生まれても4日以上生きられないとの事。(但しこれも前述の「異なるタイプのアルビノ」がいればアルビノとのコンボの可能性が出てきます。)

ゼロ、スティンガー共に遺伝性質については発表当初から情報が錯綜しており、混乱を招いています。
※匿名希望A様より写真提供頂きました。


□スティンガー (Stinger)

概要: Stingerとは棘の意味で、尻尾の付け根にトゲのような模様のある表現形。体色もニシアフの野生型とはかけ離れているものが多く詳細は良くわかっていません。
ゼロの項でも触れましたが、ゼロとスティンガーは本来同じ品種であると言う話もあります。
遺伝性質: 共優性(JMGからの情報)とされているが、ゼロ同様に様々な説がささやかれている。
近年では優性との情報も。
パターンレスに対する複対立遺伝子の一つで、同時にその表現型を取る事はないと言われています。
作出者/作出年: JMG/2009年01月
備考 JMGによるとアルビノとの交配では卵の段階で死んでしまうか、奇形になるか、生まれても4日以上生きられないとの事。 (但しこれも前述の「異なるタイプのアルビノ」がいればアルビノとのコンボの可能性が出てきます。)

ゼロ、スティンガー共に遺伝性質については発表当初から情報が錯綜しており、混乱を招いています。
※写真提供者様募集中


□アベラント/アベレント(Aberrant)


概要: 他の蛇やレオパではジャングルと呼ばれるような表現形に近く、バンドが乱れる表現型です。詳細は不明ですが、バンド模様がやや不規則な個体をセレクティブブリードしたのではないかと推測されます。
遺伝性質: 不明
作出者/作出年: 野生型 JMG/2006年〜
備考 野生型の中にも多数、模様が乱れた個体は見受けられますし、国内ブリードで産まれた個体の中にも模様の乱れたものは稀に見かける事が出来ます。

※匿名希望A様より写真提供頂きましたが、すみません、こちらの写真はアベラントの特徴がよく確認できていません。


□オレオ (Oreos)


概要: 体色にオレンジ色が残る事はなく、ノーマルのオレンジ色部分が白灰色に抜けたような色をしています。2011年時点でJMGではオレオ=アザンティックとして扱われているようですが、今後の扱いがどうなるかは不明。
また同様にJMGにおいてアネリとして扱われていた似たような体色の個体群もいたが、これらが現在どう扱われているのかは不明です。
遺伝性質: 劣性遺伝
作出者/作出年: Gecko Etc /Unknown
備考 他のモルフとのコンボが期待されます。

※匿名希望A様より写真提供頂きました。
写真の個体はオレオ。


□ゴースト (Ghosts)

概要: 体色が淡くくすんだような表現型。
作出のGecko Etcが詳細を出していないので詳しくは不明。 ハイポメラニスティックと言われる物と同系かと思われる。
遺伝性質: 劣性遺伝
作出者/作出年: Gecko Etc /Unknown
備考 写真提供者様募集中。


□アネリスリスティック(Anerythristic)

概要: 画像がないため詳細不明だが、JMG産Hetアネリが出回っている。
オレオやアザンティックと言われている物との正確な区別が不明。
遺伝性質: 劣性遺伝
作出者/作出年: JMG / 2011?
備考 -
写真提供者様募集中。


□キャラメル(Caramel)

概要: 文字通りキャラメル色のような色彩変異。
アルビノの一種だが、既存のアルビノとは別の遺伝をする模様。
通常のアルビノとの交配が不可能なホワイトアウト、パターンレス等との交配も期待されています。
遺伝性質: 劣性遺伝
作出者/作出年: JMG / 2011?
備考 通常のアルビノとの互換性(アルビノの複対立遺伝子なのかそうでないのか)は未確認。
-
写真提供者様募集中。


□ズールー(Zulu)

概要: ズールー模様が特徴的。
様々なモルフとのコンボが期待されています。
遺伝性質: 劣性遺伝
作出者/作出年: JMG / 2010年12月08日
備考 -
写真提供者様募集中。


□リューシスティック (Leucistic)

概要: 黒色色素が薄く、全体的に白一色に近い表現型。過去に確認されている例は殆どなく、現状では海外サイトで確認できる数匹のみ。
その確認できる数匹も、色素の薄いアルビノとの差異があまりよくわからないのが残念。
海外サイト(RFUK)にて写真(※外部リンク)が確認できた。

現状でゴーストとして販売されているものが、以前リューシスティックとして扱われていたものである可能性もあります。
遺伝性質: 不明
作出者/作出年: 不明
備考 RFUKに掲載されている情報を元にすると、アルビノ Het リューシ(以下個体Aと呼ぶ)の写真が併せてUpされている事から、このサイトで紹介されている個体がリューシでなく色素の薄いアルビノである可能性は否定できない。
個体Aの表現型から親となった個体はアルビノとリューシである事は間違いないのだろうが、この親となったリューシの方が元よりHet アルビノでない限りは個体Aはアルビノとならないためである。(アルビノが劣性遺伝のため。)

写真提供者様募集中。


□メラニスティック (Melanistic)

概要: 黒色色素が過剰な真っ黒な表現形。過去に数度確認されている程度で固定化はされていないらしい。
現在、海外のサイト(WORLDWIDE FAUNA)にて写真(※外部リンク)が確認できるが、そのクオリティはそれ程高くない模様。
よくよく写真を見れば確認できるが、胴や足に茶色の部分がそれなりに残っている。浅い被写界震度の写真の為だいぶぼかされてはいるが、メラニスティックと呼ぶにはまだ茶色が強いように思う。
(削除されてしまったようで、現在は他の個体がいるかどうかは不明。)
遺伝性質: 不明
作出者/作出年: 不明
備考

「可愛いヤモリと暮らす本」(冨水明著/MPJ)にも写真の掲載があるが、詳しい情報は不明でこの本にも固定化されていないとの情報が記載されている。情報源は不明。

写真提供者様募集中。



□その他の品種・コンボモルフ(Other)


概要:  上記の品種以外にも少ないながらに品種は存在している。
例えば国内産CBでは沖縄ブリーダーによる「ブラッシング系」と名付けられたもの等がある。下の写真の個体は「ブラッシング系」として売られていた個体。
  上の写真はパターンレスホワイトアウト。

  これら以外にもJMGではホワイトアウトとのコンボモルフ、キャラメルとのコンボモルフ等多数のコンボモルフを作出している。
代表的なコンボモルフとしては「パターンレスホワイトアウト」、「ホワイトアウトアベレント」、「ホワイトアウトスーパーゼロ」、「ホワイトアウトズールーキャラメル」、「ホワイトアウトアザンティック」、「ホワイトアウトゴースト」等があり、その殆どはホワイトアウトとの掛け合わせである。

また、近年新たな品種として、スターバースト(Star Burst)等も注目されています。
遺伝性質: -
作出者/作出年: -
備考

-




このページの先頭に戻る


TopPageへ戻る