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◆ニシアフリカトカゲモドキの病気
作成日:2010.09.11  更新日:2011.11.04


■トカゲモドキの病気と健康管理
一番注意しないといけない事は、飼い主の勝手な思い込みで病気と断定してしまう事。 餌の頻度が普段より落ちたとから「拒食だ!」と言って慌てたものの、それはトカゲモドキにとっては正常な範囲であったなどと言う事も多々あります。 原因の明らかな負傷はともかく、断定するには情報が不足しているような症状の場合は素人判断であれこれせずに、素直に医師の判断を仰ぐのが一番です。 念のため、参考程度に以下に代表的な病気と症状の例を記載しておきます。なお、環境改善の際に急激に環境を変えると生体に負担がかかってしまう事があるので注意してください。
■腋の下の水泡:
(概要)これは病気ではなく、栄養を充分取れている個体に多く見られます。尻尾が太く腋の下も膨らんでいれば肥満の傾向があるようです。どちらか一方であればそれ程心配は要りません。
(対処)これが見られるようなら体重・体格などを再チェックをしてみた方がいいかもしれません。必ずしも肥満とは断言できませんが、基本的にはその傾向が強いようです。

■拒食・食欲不振:
(概要)幼体の場合で5〜7日前後、成体の場合で2週間〜1ヶ月程度餌を食べない場合、拒食とみなしていいかも知れません。
(原因) 原因は多種多様で、環境が気に入らない(温度・湿度・騒音・振動・明るさ等)、人間が触りすぎる、餌を吐き戻した、餌に飽きた(又は別の餌が欲しい)、排泄ができていない、当日/前日に脱皮をしているなどの様々な理由が考えられます。また冬場に季節拒食をする事もありますが、季節拒食をする個体の特徴としては通常時拒食と見なせる期間食べなくても一切痩せてこない事が挙げられます。
(対処) 温度・湿度を始めとする各環境が個体の好む物になっているか、排泄はしっかり行われているかをまず確認する事が重要です。元々尻尾に栄養を蓄える特性上数日〜数週間の絶食には耐えられるので、2,3日食べないからと言ってあれこれ触り過ぎる方がかえってストレスとなるケースもあります。また、多頭飼育している♀の場合、妊娠の可能性、生まれて間もない個体の場合にファーストシェッドを終えていない可能性、単純に満腹などの理由も考えられるので生体を良く観察して考えましょう。拒食と判定していい日数が経過したからと言って強制給餌を試みるのは早計です。体格が安定しているのか、水は飲むのか、活発なのか愚鈍なのか、体格や所作をしっかり観察しましょう。とは言え尻尾がみるみる細って行くようでは蓄えている栄養も不足してきているので、速やかに獣医師の判断を仰ぎましょう。尻尾が太い内は無理に強制給餌をしようとせず、定期的に餌を勧めるだけに留めておくべきです。

■吐き戻し:
(概要)食べた餌を口から吐き戻し、その後拒食となるケースがあるようです。
(原因) 体格に見合わず餌が大きすぎたり、冷凍餌の解凍が中途半端(芯が凍っている)である事、餌の消化に必要な温度が足りない等が大体の原因です。
(対処) 予防として、無理に大きい餌を与えない事。万一吐き戻してしまった場合、通常は胃腸が荒れるので数日間は餌を食べなくなります。吐き戻しは体力の消耗が激しいので、じっくり付き合う必要があります。基本的に2,3日は餌を抜いて、以降毎日食べるまで餌を勧めるしかないと思います。この際強制などせず置き餌なども絡めてじっくり付き合ってあげましょう。また、明らかに温度不足である場合は、しっかり保温をしてやる事も重要です。

■クル病:
(概要)餌等から得られるカルシウム分が不足している際に起こりやすく、トカゲモドキの場合、四肢が曲がって歩けない、腰が曲がって歩けない、口が開いたまま閉じない等の症状を起こす事が多いそうです。 (原因) 基本的にはカルシウム不足から起こる病気とされています。一度発症してしまうと進行を止める事は出来ても、発症した症状を戻す事は出来ないと言われています。
(対処) 予防が最も重要な病気で、通常、餌にカルシウムを添加してやれば回避できるとされています。餌に添加するカルシウムですが、ビタミンD3入りのモノとそうでないモノがありますが、本種の場合、基本的にビタミンD3は必要ないと言われています。過剰なビタミンD3もクル病同様の症状を発症する事があるので、与えるにしてもやりすぎない程度にすると良いでしょう。

■内部寄生虫(クリプトなど):
(概要)クリプトに感染すると下痢・嘔吐・食欲減退等の症状がみられ、餌をよく食べる個体でも太らず、ガリガリになっていきます。基本的に治せない物だと思っておいた方が良いでしょう。クリプトの場合は感染力も非常に強く、管理が杜撰だと飼養個体の全滅も覚悟しなければならない程に厄介です。
(原因) 糞等から感染しますが、糞を掃除した器具や水入れ、床材の使いまわし等からも感染するケースがあります。長期間飼っている個体がいきなり発症する事はほとんどなく、基本的には外部から新たに入れた個体に付着しており、そこから感染する等のケースが最も多いと言えます。
(対処) 一番の予防策は新しい個体を迎えた際に、すぐに先住個体と一緒にはせず別管理にし、使う器具類も分けたうえで熱湯消毒・アルコール消毒を徹底するのが一番でしょう。その他の内部寄生虫の場合は投薬などで駆虫する場合もあり、万一感染しているようであればすぐに獣医師の判断を仰ぐ必要があります。

■外部寄生虫(ダニなど):
(概要)ニシアフに適した温度・湿度はダニ等も好む温度・湿度である事が多く、パーム土等の有機物を床材に用いると簡単に増えてしまう事があります(無機物を使っていても増える事はあります)。生体の皮膚に付着すると、鱗を食い破られたり血を吸われたりして衰弱する事があるので、床材の管理には注意が必要です。。
(原因) 高温・多湿な環境で繁殖してしまう事が殆どです。有機物を使わないケージからは発生しにくいですが、生体がいる以上絶対ではありません。
(対処) 一番手っ取り早い対策としては、床材などに有機物を使わないこと、掃除をこまめにする事の2点です。万一ダニが繁殖しているようであれば、生体を別のケージに移しこまめな掃除を行う事が必要です。ダニの繁殖が確認されたケージは熱湯消毒・アルコール消毒・薬品による消毒或いは廃棄を検討する事。

■胃腸炎:
(概要)内部寄生虫同様、下痢・嘔吐・食欲減退の症状や、食べているのに痩せて行く等の症状がみられます。
(原因) 主な原因は原虫類の寄生、細菌や真菌の寄生、ストレス性の免疫低下や嘔吐による物等が考えられるでしょう。
(対処) ストレス性であればその原因を取り除く事が最も早い治療法となります。寄生の疑いがある場合は速やかに獣医師に相談する事。

■脱皮不全:
(概要)脱皮がうまく行かず、皮膚に脱皮殻が付着したままになります。脱皮不全を起こしたまま放置してしまうと、脱皮できなかった箇所の細胞が壊死してしまうので様子を見つつ対処が必要です。壊死した細胞が元に戻る事はありません。
(原因) 元々脱皮が苦手な個体もいますが、多くは湿度不足に起因します。普段から湿度管理をきっちりしておきましょう。足の指先等の細かい部分や、尻尾の裏等の地面に触れず、かつ生体の首が届きにくい部位は皮が残りやすいです。
(対処) 万一脱皮不全を確認したら1日ぐらいは湿度を高めて様子を見て、それでもダメならアシストしてあげましょう。尚、個体の好みによっては、水浸しでボトボトな環境を好む個体もいるようなので、水にミズゴケを浸したトレイ等を入れてやるのも効果的です。ただし、ケージ内全体が水浸しになっていると確実に他の病気や外部寄生虫、カビの原因になるので要注意。通気性は確保しつつ湿度を高めてあげて下さい。
脱皮不全の殻
上の写真は脱皮不全で残った指の皮を剥がしたもの。

■腸閉塞:
(概要)簡単に言ってしまえば糞詰まり。便秘もこれに含まれることがあります。
(原因) 床材を誤飲しても多くの場合には排泄時に出てしまいますが、生体が幼い場合や、飲み込んだものが大きかった場合に腸閉塞を起こしてしまう事があります。またそれら以外にも、設定温度が低く体温が低くなってしまっている場合に腸蠕動が上手く行かずに、通常なら排泄されるような大きさの物でも通貨障害を起こすケースもあります。
(対処) 対策は飲み込める大きさの物を入れない、温度管理を確実に行うようにしましょう。万が一誤飲をしてしまった場合は、温度を高めに設定して腸蠕動を促してやると良いかもしれません。特に脱皮の際にキッチンペーパーや土類を誤飲した場合は排泄されるまでに時間がかかり大変ですが、水分を摂取している事等を確認して、長期的に付き合ってやる方が良いでしょう。温浴をする等の方法はありますが、急激な温度変化は爬虫類の体力を大きく奪うため、安易に温浴させない方が良いと思います。医師のアドバイスを受けて下さい。

■中耳炎:
(概要)人間の中耳炎とは異なり耳の中の腫瘍がチーズのように固まって、頭部(耳の前辺り)が腫れあがってくる。場合によっては食欲不振、拒食を伴う。ヒョウモントカゲモドキで発症するケースを良く耳にする。
(原因) 低温に曝されていたり、栄養失調、細菌感染など様々な原因によって発生する。
(対処) 素直に動物病院へ。基本的には外科手術となります。放置で治る事はまずありません。状況次第では抗生物質(内服)と軟膏等の塗り薬を併用するケースがあります。

■閉眼、目脂:
(概要)目が開かなくなったり、酷い目ヤニが出ます。
(原因) 床材の砂等が目に入ってしまった等の床材起因の物と、脱水や免疫低下に起因する物があります。
(対処) 前者の場合なら床材の変更をまず行うこと。とにかく清潔な環境でキープする事が最優先です。その上で獣医師の意見を仰ぎましょう。後者の場合も獣医師と相談するべきでしょう。

■鼻腔閉塞:
(概要)閉塞している原因を特定する事が重要です。呼吸器感染症による物や、砂等の異物が詰まった場合等が考えられますが、いずれにしても獣医師の所に連れて行くのが一番です。

■鼻先の潰瘍化、腫脹、擦過傷:
(概要)生体の性格や脱皮の際など、ガラス面に鼻先を押し付けて負傷したり、レイアウト用の流木等に鼻先を擦り付けて負傷する事があります。なってしまったら、獣医師に相談するしかありませんが、原因となった物があるのなら必ず取り除きましょう。取り除けない物でもクッション材を巻きつけるなどの対処もあります。

■マウスロット:
(概要)感染性口内炎。口内炎と言っても人間のように軽い物ではなく、トカゲモドキをはじめとする爬虫類の場合は命に関わる事も多々あります。外傷の他に飼育環境に不備がある可能性も高いので、見直した上で獣医師に相談しましょう。これが原因で餌を食べることができなくなるケースもよく耳にします。

■骨折:
(概要)硬いものに噛み付いて、顎関節などを骨折するケースや、骨形成不全によるラバージョーと呼ばれる例が考えられますが、いずれも獣医師に相談するしか方法はないでしょう。

■呼吸器感染症:
(概要)口を大きく開けて明らかに口で呼吸をしていたり、鼻先から泡や鼻水のような物が出ている場合、呼吸器の感染症が疑われます。この場合も残念ながら獣医師に相談するしかありません。

■ストレス:
(概要)騒音や触りすぎ、温湿度不適合等でストレスとなる事が多々あります。ストレスは様々な病気の原因となるので、生態を良く知った上でトカゲモドキに適した環境を用意してあげましょう。爬虫類は犬猫のように扱われて喜ぶ生き物ではない事に注意。聞こえにくいので気づかない人も多いですが、シューッと言う噴気音やジャーッと言う鳴き声?のような音を出すケースもあり、そう言う場合は相当興奮している状態です。また、口を大きく開いて威嚇することもあります。

■神経性障害:
(概要)様々な原因が考えられますが、感染性・中毒性・外傷性などによるものや、遺伝的な物(無理な交配を繰り返した等)などがあります。遺伝性のものではヒョウモントカゲモドキのエニグマや、ボールパイソンのスパイダーの神経障害が有名ですが、ニシアフリカトカゲモドキにおいて遺伝性の神経障害はまだ確認されていません。歩行が上手くいかなかったり、その場で回転し続けたり、よく転んだりするのが主症状ですが、獣医師に相談し原因を特定するのが先決でしょう。
軽度の場合は生活に支障がない事もありますが、重度になると自分で餌を取る事もできなくなり、強制給餌やアシストが必要となるケースがあります。
これらの障害を持つ種を安易に繁殖に使わない事が重要だと考えます。

■膿瘍、のう胞:
(概要)皮膚に膿瘍等ができている場合、速やかに獣医師に相談の上検査が必要となるでしょう。外科的な処置が必要となる事が多々。いずれにせよ素人がどうこうできる症状ではありません。

■便秘:
(概要)主にストレスや、温度不適合等の理由が考えられます。温度が正しく管理されている場合、殆どストレス性なので、原因を除去することが重要です。温度も一見適正に見えても、夜間に凄く温度が下がっているなどのケースも考えられるので、最低温度・最高温度の計測できる温度計を使用するといいでしょう。

■性器露出(脱ヘミペニス、ヘミペニス脱):
(概要)繁殖器官であるヘミペニスが露出したまま戻らなくなってしまう。
(原因) ヘミペニスに付着した排泄物や分泌液等が固着し力んだり、交尾直前まで行ったものの何かしらの原因で成立しなかった場合に肥大化したヘミペニスが戻らなくなる等原因は様々。
(対処) 砂糖水やブドウ糖液を付けて浸透圧で戻すと言う方法もあるにはある・・・のですが、獣医師に相談するのが一番早く確実です。やるにしても、あくまで応急処置に留めて専門家に任せましょう。
尚、一度脱ヘミペニスになった個体は再発し易いので、繁殖等は極力避けた方が無難。(治療後繁殖できた例も聞きますが。)

※33〜35度位の砂糖水(またはブドウ糖液)に10〜15分程度生体をつけておきます(この際あまり高温だったり低温だったりすると、生体は相当なダメージを受けるので要注意)。その後清潔に消毒した手で軽く押し込んで戻してみます。戻るようであればまた35度ぐらいの水で砂糖水を洗い流します。砂糖水がそのまま付着していると、悪化してしまったりする原因になるので必ず清潔を保つ事。
戻った場合、戻らなかった場合を問わず、獣医師の元にすぐに連れて行けない状況が続くのであれば、床材は綺麗なキッチンペーパーや、ペットシーツ等にし、粘膜に付着しやすい土・砂類は避けること。その際にキッチンペーパーを濡らす、床材を全部取り払って半面水浸しにする(当然温度は適正に管理した上で)などして床面の抵抗を減らし、摩擦を少なくする事で炎症の悪化を抑える等の対処も必要となります。

尚症状を放置していたり、乾燥が進んだり、完全に壊死してしまったり等様々な理由でヘミペニスが落ちてしまう事がありえますが(重度の場合獣医師によって切除と言う選択をする事もある)、ヘミペニスは生殖機能しか持ち合わせていないため、繁殖こそできなくなる物の生活には支障がないと言われています。(とは言ってもちゃんと獣医師に診て貰うに越した事はないですが。)

■脱水:
(概要)トカゲモドキの仲間は餌から間接的に水分を取ることができますが、それ以外にも夜露を舐めるなどして水分を摂取しています。その為、餌でしか水分を取れないような状況では水分不足に陥りやすいと言えます。水入れを設置していても、流水以外は認識できない個体もいるので、そう言う場合は霧吹きやドリップ式の水入れで水を与えるなどしましょう。

■結石:
(概要)尿道系にシュウ酸カルシウムが蓄積され、石状の詰まりが生じる事があります。雄ではクロアカルサック(ヘミペニスを収納するポケット)に汚れがたまって固形化する事による、結石状の物もあります。酷い場合にはクロアカルサックや総排泄口周辺が腫れ上がったりもします。いずれの場合も外科的な処置が必要となる事があります。


■ペットが死んでしまったら:
ペットが死んでしまった場合には、基本的には火葬にします。火葬の方法自体は市のゴミとして出す方法を取られる方が多いように思いますが、(私みたいに)ゴミとして出す事にいささか抵抗を覚える人は市の葬儀場でペット火葬して貰う、一般のペット葬儀を行っている会社に任せる等するのが良いでしょう。一般的には感染症や菌を蔓延させないためにも土葬は避けた方が良いとされています。また山や公園など他者の所有地に物を埋めるのはやめましょう。



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